
- 坂口恭平『生きのびるための事務 全講義』は、夢を現実化するための「事務」を武器とし、時間管理やノート活用で理想の生活を具体的に設計する方法を提案。
- 失敗を恐れず大量行動を推奨し、期待値を低く保つ健全な悲観主義と柔軟な対価交換で精神的な耐久性を高める思考法を紹介。
- 方法論やシステムに神経質になり、自己否定を避けつつ清潔感の演出や要求主導の交渉で社会的な生存戦略を構築。
- 経済の本質を「世を直し民を救う」ルールとして再定義し、著者のバックグラウンドに基づく実践的な哲学で不確実な時代を生き抜く術を総括。
坂口恭平の略歴・経歴
坂口恭平(さかぐち・きょうへい、1978年~)
建築家、作家、アーティスト。
熊本県熊本市の生まれ。熊本高等学校、早稲田大学理工学部建築学科を卒業。
『生きのびるための事務 全講義』の目次
第1講 事務は「量」を整える
第2講 現実をノートに描く
第3講 未来の現実をノートに描く
第4講 事務の世界には失敗がありません
第5講 毎日楽しく続けられる事務的「やり方」を見つける
第6講 事務は「やり方」を考えて実践するためにある
第7講 事務とは「好きとは何か?」を考える装置でもある
第8講 事務を継続するための技術
第9講 事務とは自分の行動を言葉や数字に置き換えること
第10講 やりたいことを即決で実行するために事務がある
第11講 どうせ最後は上手くいく
特別講座 坂口恭平と糸井重里、はじめて会う
『生きのびるための事務 全講義』の概要・内容
2025年6月12日に第一刷が発行。マガジンハウス新書。363ページ。
2024年5月16日にマガジンハウスから刊行された漫画『生きのびるための事務』(原作・坂口恭平/漫画・道草晴子)の原作。
「特別講座」では、コピーライター、実業家の糸井重里(いとい・しげさと、1948年~)との対談、約120ページも収録。
『生きのびるための事務 全講義』の要約・感想
- 夢を現実化する「事務」という最強の武器
- 失敗という概念を消し去る思考法
- 具体性が未来を引き寄せる
- 「方法」への神経質さが成功の鍵
- 自己演出と清潔感の経済的価値
- 好きなことで生き抜くための資金戦略
- 感情を排して「事務」を徹底的に批判せよ
- 交渉の主導権を握るための要求技術
- 天才・坂口恭平の戦略的思考と背景
- 経済の原点に立ち返る「経世済民」の視点
- 総括:羨望と畏敬が交差する実用書
日々の生活に追われ、漠然とした不安を抱えながら過ごしている現代人は多い。
やりたいことはあるのに、時間がない。
夢はあるけれど、現実的な生活の糧を得る手段との折り合いがつかない。
そうした葛藤の中で摩耗していく精神を救い上げ、現実的な「生存戦略」として提示された一冊の書籍がある。
それが、2025年6月12日にマガジンハウス新書から発行された『生きのびるための事務 全講義』である。
著者は、坂口恭平(さかぐち・きょうへい、1978年~)。
建築家であり、作家であり、アーティストとしても活動する彼は、既存の枠組みに囚われない生き方を実践し続けている稀有な表現者だ。
本書は、2024年に刊行された漫画作品『生きのびるための事務』の原作にあたるが、単なるノウハウ本ではない。
これは、夢想家のための本ではなく、夢を現実という強固な地盤に着地させるための、極めて実践的な「事務」の講義録である。
多くの人が「事務」という言葉に抱くイメージは、退屈な書類作成や、創造性を阻害するルーチンワークかもしれない。
しかし、坂口恭平が定義する「事務」は、それとは対極にある。
それは、自分のやりたいことを守り、継続し、社会の中で「生きのびる」ための最強の武器なのだ。
本稿では、本書のエッセンスを抽出しながら、私たちがこの不確実な時代をどう生き抜くべきか、その具体的な手法と哲学について深掘りしていく。
夢を現実化する「事務」という最強の武器
多くの表現者やクリエイター、あるいは起業家志望者が挫折する原因は、才能の欠如ではない。
それは、生活を維持し、制作を継続するための「システム」の欠如にある。
坂口恭平は、自身の内面に「ジム」という事務代行のエージェントのような人格を設定し、彼との対話を通じて現実を処理していく手法をとっている。
この「事務」こそが、混沌とした現実を整理し、夢を単なる妄想から引き剥がして、物理的な現実へと定着させる装置となる。
本書の第2講において、非常に示唆に富む記述がある。
私たちはつい、頭の中だけで計画を立て、時間を管理しようと試みる。
しかし、人間の脳は時間という抽象的な概念を正確に把握するようにはできていない。
考えても無駄です。人間は時間を考えることができません。すぐ忘れてしまいます。現実はノートの描くに限ります。一生消えません(P.44:第2講 現実をノートに描く)
この言葉は、登場人物である「ジム」の発言だ。
自分の日々の行動時間を、頭の中だけでシミュレーションするのは至難の業である。
どれだけ強い意志を持っていても、可視化されていない時間は、水のように指の隙間からこぼれ落ちていく。
だからこそ、円グラフを用いて、現在の自分の時間の使い方(現状)を冷徹に認識する必要がある。
そして同時に、理想とする将来の時間の使い方も円グラフに描くのだ。
現状と理想、この2つの円グラフを並べ、そのギャップを埋めるための具体的な時間割を作成する。
目標となる生活の時間割が明確になれば、実現可能性は格段に跳ね上がる。
さらに言えば、将来いつかその生活をするのではなく、明日から、いや今日から、その理想の時間割で生活を始めてしまえばいい。
形から入ることの効用を、これほど論理的に説いたアプローチは珍しい。
具体的な施策を打つためには、まず「時間」という見えない資源を、ノートという物理的な媒体に定着させることが不可欠なのである。
失敗という概念を消し去る思考法
新しいことを始めようとする時、私たちの足を止めるのは「失敗への恐怖」だ。
誰にも相手にされないのではないか、評価されないのではないかという不安が、行動を躊躇させる。
しかし、坂口恭平のスタンスは極めて軽やかであり、かつ強靭だ。
彼はかつて、自分で作った音楽をレコード会社や好きなエンジニアに送りつけ、文章を書けば編集者に送りつけていたという。
もちろん、どこからも無視されましたが、そんなことで別にびくともしなかったです。もともと上手くいかなくて当たり前ですから。でも「試す」ってことが大事だと思っていたし、楽しかったんです。(P.49:第3講 未来の現実をノートに描く)
ここには、成功者の多くが共有する重要なマインドセットが見て取れる。
それは、「もともと上手くいかなくて当たり前」という、健全な悲観主義とでも呼ぶべき前提だ。
作家で工学者の森博嗣(もり・ひろし、1957年~)や、経済学者の楠木建(くすのき・けん、1964年~)といった人物たちも同様のことを述べているが、最初から期待値を下げておくことで、無視された時の精神的ダメージを最小化できる。
そして重要なのは、諦めずに、めげずに続けることだ。
これは統計学における「大数の法則」にも似ている。
試行回数を増やせば増やすほど、確率は収束し、どこかで必ずヒットが生まれる。
大量の作品づくりと、大量の行動。
質は量からしか生まれないという真理を、彼は淡々と実践しているのである。
また、彼は行動に対する対価についても柔軟な思考を持っている。
無償で働く代わりに、その相手が持っている品物をもらうのも鉄則です。(P.50:第3講 未来の現実をノートに描く)
これは、坂口恭平が無償で大工仕事を手伝った際のエピソードに関連したジムの発言だ。
金銭の授受が発生しなくとも、彼は大工道具一式をもらうという形で「対価」を得ている。
ギブ・アンド・テイクの関係性は、必ずしも貨幣を介する必要はない。
信頼、技術、道具、人脈。
交換可能な価値の種類を豊富に持ち、柔軟な考えを持つことが、生存確率を高めることにつながるのだ。
具体性が未来を引き寄せる
「夢」という言葉には、どこか現実逃避の甘い響きがある。
しかし、「現実」という言葉には、手触りと重みがある。
坂口恭平は、ノートを使って「未来の夢」ではなく「未来の現実」を描くことを推奨する。
《将来の夢》はどうでもよくて、《将来の現実》はこのようになります! っていうことだったら簡単にノートに描けば示せるね。(P.61:第3講 未来の現実をノートに描く)
将来の夢と語ると、それは漠然とした抽象的な願望に留まりがちだ。
しかし、「将来の現実はこのようになる」と定義した瞬間、それは具体的で明確なターゲットへと変わる。
具体化されることで初めて、そこに至るまでの道のりや方法論が逆算可能になる。
抽象的な悩みは解決できないが、具体的な課題は解決できる。
この思考の転換こそが、実現への第一歩なのである。
「方法」への神経質さが成功の鍵
真面目な人ほど、何かがうまくいかない時に「自分の性格」や「意志の弱さ」を責めてしまう傾向がある。
しかし、本書で語られる「事務」の哲学において、自己否定は無意味であり、時間の無駄だと切り捨てられる。
神経質になる必要があるのは徹底して《方法》《やり方》です。つまり、これが《事務》です。(P.88:第5講 毎日楽しく続けられる事務的「やり方」を見つける)
神経質になるべき対象は、自分の内面や精神性、哲学ではない。
徹底して、システムや方法論に対して神経質になるべきなのだ。
もし継続できないなら、自分が悪いのではなく、やり方が悪い。
方法を修正し、改善し、また実践する。
そこには感情が入り込む余地はなく、ただ機械的なチューニングがあるだけだ。
間違っても自分を責めたり、反省したりしてはいけない。
必要なのは自分への反省ではなく、方法への修正である。
この考え方は、精神的な重圧から私たちを解放し、行動を継続させるための非常に合理的なアプローチである。
自己演出と清潔感の経済的価値
内面が大事だという道徳的な教えは、ビジネスや社会生活の現場では必ずしも通用しない。
人は情報の多くを視覚から得ており、第一印象がその後の関係性を決定づけるからだ。
人は見た目でしか判断しませんからね。清潔じゃなくてもいいですが、清潔感っていうのはとても重要です。(P.100:第5講 毎日楽しく続けられる事務的「やり方」を見つける)
ジムのこの発言は、冷徹な真実を突いている。
見た目、雰囲気、良さそう、楽しそう、面白そう。
こうした非言語情報は、非常に重要な判断材料となる。
商品であれば、人気がありそうか、売れていそうか、効果がありそうかといった「見え方」が購買意欲を左右する。
自分自身をひとつのコンテンツ、あるいは商品として捉えた時、そのプロデュース力は見過ごせない要素だ。
「清潔」である必要はないが、「清潔感」は演出できる。
それは社会に対する礼儀であり、同時に自分の価値を最大化するための戦略的「事務」の一部なのである。
好きなことで生き抜くための資金戦略
「好きなことで生きていく」というフレーズは魅力的だが、それが単なる享楽的な生活を指すわけではないことは、大人であれば誰でも理解している。
坂口恭平にとっての「生きる」定義は明確だ。
「生きるってことは、好きなことを継続すること、だからね」
「いい感じです。間違っても仕事をしてお金を稼ぐことなんかじゃありません」(P.109:第6講 事務は「やり方」を考えて実践するためにある)
この会話には、資本主義社会に対する鋭い批評が含まれている。
生きることの目的が、単に労働してお金を稼ぐことになってしまえば、人生は退屈な作業と化す。
あくまで主軸は「好きなことを継続すること」にある。
そのために、キャッシュポイント(収益発生地点)をどこに設定するかという戦略が必要になるのだ。
自分を曲げずに、いかにして資金を還流させるか。
これは極めて高度なパズルだが、彼はそれを解き続けている。
ここで、彼が影響を受けた人物として、ある建築家の名前が挙がる。
僕の師匠である建築家・石山修武は建築をし、文章を書き、絵を描いている。三つやっている。さすが僕が高校生のときに見つけた先生である。(P.125:第6講 事務は「やり方」を考えて実践するためにある)
石山修武(いしやま・おさむ、1944年~)は、岡山県出身の建築家である。
早稲田大学理工学部建築学科を卒業し、同大学院を修了。
日本建築学会賞やヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞など、数々の栄誉ある賞を受賞している大家だ。
建築家でありながら、絵を描き、文章を構築する。
建築という行為自体が、空間の中に線を引き、構造を作り上げるものである以上、絵画や執筆と親和性が高いのかもしれない。
坂口恭平のマルチな活動の源流には、この師匠の存在があったことが窺える。
一つの専門分野に固執せず、表現のチャンネルを複数持つこと。
それもまた、リスク分散という観点からの「事務」なのかもしれない。
感情を排して「事務」を徹底的に批判せよ
創作活動や仕事において、自己愛は時に邪魔になる。
自分の作ったもの、自分のやったことを盲目的に愛してしまえば、改善の余地がなくなるからだ。
「自分は褒めるな、自分の《事務》を徹底して褒めろ。逆もまた然り。自分を批判するな、自分の《事務》を徹底的に批判しろ」(P.130:第7講 事務とは「好きとは何か?」を考える装置でもある)
自分自身という人格と、自分が行う「事務」やアウトプットを完全に切り分けること。
これができれば、批判を恐れる必要はなくなる。
批判されているのは「自分」ではなく、あくまで「手法」や「作品」だからだ。
事務として対象を客観視し、冷徹に評価し、修正する。
このドライな視点こそが、クオリティを高め続けるための秘訣である。
交渉の主導権を握るための要求技術
日本人は特に、自分の要望を主張することを躊躇う傾向がある。
しかし、ビジネスやプロジェクトを円滑に進めるためには、受動的な姿勢は命取りになる。
「まずは要求を受けるんじゃなくて、要求をこちらからするんです。どんなときも。それが嫌がられるときは何しても上手くいきませんから諦めましょう。そうすれば、自分の要求を常に受け入れられる環境がのちに出来上がりますよ」(P.139:第7講 事務とは「好きとは何か?」を考える装置でもある)
自ら要求し、条件を提示する。
もしそれが受け入れられないのであれば、その相手や環境とは縁がなかったと割り切って諦める。
これを繰り返すことで、結果的に自分の要求を受け入れてくれる相手だけが周囲に残り、自分にとって最適化された環境が仕上がっていく。
試行錯誤と大量行動の果てに、居心地の良い場所が形成されるのだ。
また、仕事におけるトラブルの多くは、事前の確認不足から生じる。
仕事が上手くいかない場合の多くは、最初の要求と確認をやってないからなんですね。主導権を握るってことじゃないんです。どんな身分であれ、自分の要求をまずすることで、相手も動きやすくなるんですから(P.154:第8講 事務を継続するための技術)
これはマウントを取るということではない。
最初に自分のスタンスと要求を明確にし、相手に確認してもらうことは、ある種の誠意であり、契約である。
そのプロセスを怠ると、後になって必ず齟齬が生じる。
当日の最後にまとめを行い、夜には議事録として送る。
こうした泥臭い「確認作業」こそが、自由な活動を支える土台となるのだ。
第11講でも、この点は強調されている。
何事も一番初めだけが肝心です。一番初めを間違うと全て間違います。(P.210:第11講 どうせ最後は上手くいく)
方法論の選択も、相手との関係構築も、最初のボタンの掛け違いが致命傷になることを肝に銘じるべきである。
天才・坂口恭平の戦略的思考と背景
本書の後半、特別講座として収録されている糸井重里(いとい・しげさと、1948年~)との対談も非常に読み応えがある。
ここで明かされる坂口恭平のバックグラウンドは、彼の破天荒な活動が決して無軌道なものではなく、極めて高い知性に裏打ちされたものであることを証明している。
当時、僕は熊本高校っていう進学校の上位にいて「東大コース」みたいな感じだったんです。高校までは教科書を記憶すれば点数が取れるから、それでやってて。(P.291:特別講座 坂口恭平と糸井重里、はじめて会う)
地元の名門進学校で上位におり、東大も狙える位置にいたという彼。
抜群の記憶力と情報処理能力を持っていたことが窺える。
その頭脳を、既存の学歴競争や出世競争に使うのではなく、自分にとって心地よい生活システムを構築するために全振りした結果が、現在の彼の姿なのだろう。
早稲田大学理工学部への進学も、おそらく彼にとっては容易いハードルだったのかもしれない。
資本主義の荒波を巧みに乗りこなし、時に御しながら生きるその姿勢には、ある種の羨望を覚えざるを得ない。
また、彼独自の経済システムについても、あとがきで驚くべき手法が明かされている。
何をしているかというと、絵を買ってくれた人が僕に絵を送り返すと、僕は16万5000円払い戻すことにしているんです。こうすると、作品が流通することがなくなるんですね。(P.234:あとがき)
これは、自分の作品がオークションなどで投機的な対象として二次流通することを防ぐためのシステムだ。
自分と購入者との間だけで完結する商取引。
市場の論理に巻き込まれず、自分の作品の価値と流通を完全にコントロール下に置く。
これもまた、彼が構築した高度な「事務」の一形態である。
経済の原点に立ち返る「経世済民」の視点
お金がないと何もできない、と思い込んでいる現代人に対し、坂口恭平は「経済」という言葉の本来の意味を突きつける。
もともと「経済」も「経世済民」で、「世を直し、民を救う方法」の意味ですからね。「Economy」だって「オイコス・ノモス」、家計とか家政、共同体のルールなので。今は何かするときに「お金」しか方法がないくらいに思われやすいですけど、別に方法って「お金」だけじゃないし、ほんとはいろいろありますからね。(P.342:特別講座 坂口恭平と糸井重里、はじめて会う)
資本とはお金だけではない。
知恵、技術、人脈、信頼、時間。
本来、経済とは共同体を管理し、人々を救うためのルールのことだった。
お金は重要な鍵ではあるが、唯一の方法ではない。
頭を使えば、方法はいくらでもある。
彼のこの言葉は、思考停止に陥りがちな私たちへの強烈なエールであると同時に、もっと頭を使えという挑発でもある。
総括:羨望と畏敬が交差する実用書
本書『生きのびるための事務 全講義』は、単なるビジネス書や自己啓発書の枠には収まらない。
ここには、法人という仕組み、事業の実態、経理、節税、そして行動とお金の循環についての具体的な設計図が描かれている。
坂口恭平という人間に対して、誰もが手放しで好感を持つわけではないかもしれない。
東大や京大に多数の合格者を出すような進学校を経て、尊敬する師を追って早稲田へ進み、独自の地位を築いた彼に対して、嫉妬や羨望、あるいは「自分とは住む世界が違う」という疎外感を感じる読者もいるだろう。
私自身、彼のすべてを好きになれるわけではないし、どこか鼻につく部分がないわけではない。
しかし、彼が構築した「事務」というシステムと、その背景にある哲学の強度は認めざるを得ない。
人間的にどう思うかは別として、彼が提示するサバイバル術は、間違いなく一読の価値がある。
おそらく、本書のタイトルは、彼が尊敬する石山修武の著作『生きのびるための建築』(NTT出版、2010年)へのオマージュであろう。
建築が物理的なシェルターを作る技術であるならば、事務は社会的なシェルターを作る技術である。
この本を読み終えた後、あなたの手元にあるノートは、ただの紙束ではなく、未来の現実を生成するための設計図へと変わるはずだ。
まずはペンを取り、円グラフを描くところから始めてみてはどうだろうか。
そこから、あなただけの「生存戦略」が始まるのである。
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Museum・坂口恭平美術館
Museum・坂口恭平美術館は、熊本県熊本市にある坂口恭平が作った美術館。
公式X:Museum・坂口恭平美術館










