『君に友だちはいらない』瀧本哲史

瀧本哲史の略歴

瀧本哲史(たきもと・てつふみ、1972年~2019年)
経営コンサルタント。投資家。教育者。
麻布中学校・高等学校、東京大学法学部を卒業。
東京大学大学院法学政治学研究科助手やマッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て、京都大学産官学連携センターの客員准教授も務める。

『君に友だちはいらない』の目次

はじめに
第1章 秘密結社をつくれ
第2章 本当の「よいチーム」とはなにか
第3章 ビジョンをぶちあげろ、ストーリーを語れ
第4章 よき仲間との出会いのために
第5章 チームアプローチはあなたと世界をどう変えるか

概要

2013年11月15日に第一刷が発行。講談社。324ページ。ハードカバー。127mm×188mm。四六判。

チームづくり、仲間づくりのために必要な事を解説している書籍。

映画監督・黒澤明(くろさわ・あきら、1910年~1998年)が手掛けた『七人の侍』の逸話から、慶應義塾やマッキンゼー、ドラマ『王様のレストラン』、映画『アルマゲドン』など。

上記のようなテーマを使って、チームづくり、仲間づくりの重要性や必要性を説く。

映画『七人の侍』では、登場人物たちのそれぞれのキャラクターや役割についての解説と同時に、そのシナリオ制作のための執筆体制にも言及。

黒澤明に加えて、脚本家・橋本忍(はしもと・しのぶ、1918年~2018年)、脚本家・小国英雄(おぐに・ひでお、1904年~1996年)との共同作業に関するエピソードから第1章が始まる。

さらに、Appleの創業秘話も。二人のスティーブと呼ばれる、天才的経営者のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs、1955年~2011年)と、天才エンジニアのスティーブ・ウォズニアック(Stephen Gary Wozniak、1950年~)。

実は、Appleのキーマンは別にいて、3人目の社員であった、インテルでマーケティングの仕事をしていた経験のあるマイク・マークラ(Armas Clifford “Mike” Markkula Jr. 、1942年~)。

この人物のおかけで、スタートアップの当初から資金繰りなどが上手くいって、成功したという。

その他にも、「よいチーム」の条件やその体制づくりについて、さまざまな事例と一緒に詳しく解説している一冊である。

感想

この書籍は、三回既に読んだ事がある。

それでも、ページ数が324ページであり、なかなか全てを自分の中に落とし込めてはいない。

私自身は組織で働くのは苦手ではあるが、チームや仲間と共にプロジェクトを実行していくのは、問題ない。

因みに第2章では「よいチーム」の条件として、マッキンゼーのパートナーであったジョン・R・カッツェンバックダグラス・K・スミスが書いた『「高業績チーム」の知恵――企業を革新する自己実現型組織』(ダイヤモンド社刊)に書かれている内容を紹介している。

その中でも、特に抜きん出た成果を上げたチームの条件として、

  1. 少人数である
  2. メンバーが互いに補完的なスキルを有する
  3. 共通の目的とその達成に責任を持つ
  4. 問題解決のためのアプローチの方法を共有している
  5. メンバーの相互責任がある(P.104、第2章:本当の「よいチーム」とはなにか)

と記載されている。

当たり前と言えば、当たり前のような事ではあるが、その当たり前を深く、忠実に実行できるかと言えば、またそれは別の問題となる。

そのため、しっかりと頭に入れておく必要がある。軽んじてはいけない部分である。

その他にも、勉強になる事柄やエピソード、具体例が豊富に掲載しているので、チームビルディングや仲間づくりの勉強をしたい人には、非常にオススメの著作である。

書籍紹介

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