岡本吏郎の略歴
岡本吏郎(おかもと・しろう、1961年~)
税理士、経営コンサルタント。
新潟県の生まれ。明治大学商学部を卒業。金融機関の勤務を経て独立。
『マネするマーケティング』の目次
はじめに 最も効果的な市場戦略――それはマネをすることだ――
第1章 マネをしてうまくいく人、うまくいかない人
第2章 「構造」に目をつける
第3章 複雑系という市場の法則
第4章 マーケティング本当のルール
第5章 コンサルタントはこうやって考える
第6章 実行するうえで知っておきたい経営の話
おわりに
『マネするマーケティング』の概要
2004年3月6日に第一刷が発行。あさ出版。222ページ。ソフトカバー。128mm×188mm。四六判。
マネをすることから始めて、効率良くマーケティングで成功しよう、といった趣旨の内容。
タイトルの前に「儲けた人はみんなやっていた!それは」と書かれている。
『マネするマーケティング』の感想
岡本吏郎の本は面白い。
内容も良いが、引き合いに出す例や人物が身近なものから、学術的なものまで幅が広い。
この本が自著の2冊目となるらしい。
ちなみに、1冊目は『会社にお金が残らない本当の理由』。
というわけで、引用をしながら内容を紹介。
バートランド・ラッセルは言っています。
「ほとんどの人が、考えるくらいなら死ぬ方がいいと思っている。そして、死んでいく人が多い」(P.37:第1章 マネをしてうまくいく人、うまくいかない人)
バートランド・ラッセル(Bertrand Arthur William Russell、1872年~1970年)は、イギリスの哲学者、数学者。『幸福論』などをはじめ、著書は多数。
考える人は少ない。
表面的なマネだけをする人は多い。表面的なマネだけで良いなら、世の中に成功者はもっと多くいるはず。
でも、いない。つまり、考える人は少ない。
アレンジを取り入れていくというのがポイントである。
しかし、ストイックに準備をして、楽観的に行動するという基本中の基本を守っている人は限られています。
ここにマネをしてうまくいく人といかない人の差があります。(P.43:第1章 マネをしてうまくいく人、うまくいかない人)
準備を徹底的にする。実行は楽観的に。
準備不足の人が多いというもの。
これは自戒も込めて、しっかりとしないといけない部分である。
予習というか、状況確認のための情報収集は非常に大切である。
たとえ空振りになっても、説得力というか、知識力というか、姿勢や態度の厚みにも関わってくる部分。
「これぐらいは言わないでもわかるだろう」とか「こんなことぐらい常識だ」という思考はお客さんを相手に絶対してはいけません。(P.64:第2章 「構造」に目をつける)
お客さんを幼稚園児として捉えて、分かりやすく詳細の説明をする。
またここでは物語の活用も。物語だと難しく感じるかもしれないので「お話」として捉えて、広告やチラシなどに応用していく。
コミュニケーションの大切さ。
お客さんとのコミュニケーション。さらには、お客さんのお客さんへのコミュニケーションも。
この辺りの筋道というか、入口から出口までというか、最終目的地も、常に意識しなければならないポイント。
大前提としては、充分な説明や解説も。
この部分の共通認識がないと、後々のトラブルの元にもなる。
気をつけたいところ。
また物語として提示する場合には、視覚を刺激するように伝えると、とても効果的だという話も。
多くの人は、キャッチコピーなどをマネしたと思いがちですが、そうではないのです。
マネするのは、いつでも骨組み。(P.83:第2章 「構造」に目をつける)
文章や物語の骨組み、骨格、骨子、枠組みをマネする。
マネはパクリではない。あくまでもオリジナルにすることでマネることになる。
ジョン・ケイブルさんは、アメリカのマーケティングの世界に多くの影響を残した人です。(P.159:第5章 コンサルタントはこうやって考える)
ジョン・ケープルズ(John Caples、1900年~1990年)のことか。
アメリカの広告業界で58年間も活躍し続けた伝説的コピーライターらしい。
日本語や英語で調べてみても、いまいち詳細が分からなかった。
上記は、Amazonの略歴から。
35個のキャッチコピーの基本形を伝えている。とても分かりやすいものらしい。
そこで岡本吏郎は、5個を削除して、30個を活用している。
全てこの基本形を使っているわけではないが、6割くらいは、この基本形を利用しているとのこと。
基本的な型を覚えて、活用する。何事も訓練である。
具体的なチラシの作り方や事例なども多く掲載しているので、非常に分かりやすい内容になっている。
ビジネスに興味のある人、中小企業の経営者、個人事業主、フリーランスなどにオススメの本である。