瀧本哲史の略歴
瀧本哲史(たきもと・てつふみ、1972年~2019年)
経営コンサルタント。投資家。教育者。
麻布中学校・高等学校、東京大学法学部を卒業。
東京大学大学院法学政治学研究科助手やマッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て、京都大学産官学連携センターの客員准教授も務める。
『読書は格闘技』の目次
Round 0 イントロダクション
Round 1 心をつかむ
Round 2 組織論
Round 3 グローバリゼーション
Round 4 時間管理術
Round 5 どこに住むか
Round 6 才能
Round 7 大勢の考えを変える(マーケティング)
Round 8 未来
Round 9 正義
Round 10 教養小説――大人になるということ
Round 11 国語教育の文学
Round 12 児童文学
読書は感想戦――あとがきにかえて
『読書は格闘技』の概要
2016年4月30日に第一刷が発行。集英社。160ページ。ソフトカバー。128mm×182mm。B6判。
もともとは『小説すばる』の2014年1月号~2016年2月号(2015年10月号を除く)に掲載。単行本化にあたって、加筆・修正したもの。
同じテーマで、全く異なるアプローチの本を、2冊紹介。批判的に比較検討していくという構成。
「Round 0」では、ショウペンハウエル『読書について』と瀧本哲史『武器としての決断思考』。
「Round 1」では、ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器』とD・カーネギー『人を動かす』。
「Round 2」では、ニッコロ・マキャベリ『君主論』とジム・コリンズ、ジェリー・ポラス『ビジョナリー・カンパニー』。
「Round 3」では、サミュエル・ハンチントン『文明の衝突』とトーマス・フリードマン『フラット化する世界』。
「Round 4」では、エリヤフ・ゴールドラット『ザ・ゴール』とデビッド・アレン『ストレスフリーの整理術』。
「Round 5」では、エンリコ・モレッティ『年収は「住むところ」で決まる』とアナリー・サクセニアン『現代の二都物語』。
「Round 6」では、デイヴィッド・シェンク『天才を考察する』とマーカス・バッキンガム、ドナルド・O・クリフトン『さあ、才能に目覚めよう』。
「Round 7」では、アル・ライズ、ジャック・トラウト『ポジショニング戦略』とジェフリー・ムーア『キャズム』。
「Round 8」では、ベーコン『ニュー・アトランティス』とジョージ・オーウェル『一九八四』。
「Round 9」では、ロバート・ノージック『アナーキー・国家・ユートピア』とジョン・ロールズ『正義論』。
「Round 10」では、ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』と、あだち充『タッチ』。
「Round 11」では、魯迅『阿Q正伝・狂人日記』と中島敦『山月記・李陵』。
「Round 12」では、J. K. ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』とガース・ウイリアムズ『しろいうさぎとくろいうさぎ』。
以下、各著者の概要。
ショウペンハウエル(Arthur Schopenhauer、1788年~1860年)…ドイツの哲学者。
ロバート・B・チャルディーニ(Robert Beno Cialdini、1945年~)…アメリカの心理学者、研究者。
D・カーネギー(Dale Breckenridge Carnegie、1888年~1955年)…アメリカの作家、教師。
ニッコロ・マキャベリ(Niccolò Machiavelli、1469年~1527年)…イタリアの政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。
ジム・コリンズ(James C. “Jim” Collins、1958年~)…アメリカのコンサルタント、作家。
ジェリー・ポラス(Jerry I. Porras、1938年~)…アメリカの組織理論家。
サミュエル・ハンチントン(Samuel Phillips Huntington、1927年~2008年)…アメリカの国際政治学者。
トーマス・フリードマン(Thomas Loren Friedman、1953年~)…アメリカのジャーナリスト。ピュリッツァー賞を3度受賞。
エリヤフ・ゴールドラット(Eliyahu Moshe Goldratt、1947年~2011年)…イスラエルの物理学者。
デビッド・アレン(David Allen、1945年~)…アメリカのコンサルタント。
エンリコ・モレッティ(Enrico Moretti、1973年~)…イタリアの経済学者。
アナリー・サクセニアン(AnnaLee Saxenian、1954年~)…アメリカの学者、大学教授。
デイヴィッド・シェンク(David Shenk、生年不明)…アメリカの作家。
マーカス・バッキンガム(Marcus Wilfrid Buckingham、1966年~)…イギリスの作家、コンサルタント。
ドナルド・O・クリフトン(Donald O. Clifton、1924年~2003年)…アメリカの心理学者。
アル・ライズ(Al Ries、1926年~2022年)…アメリカのマーケティング戦略家。
ジャック・トラウト(Jack Trout、1935年~2017年)…アメリカのマーケティング戦略家。
ジェフリー・ムーア(Geoffrey Moore、1946年~)…アメリカの組織理論家、コンサルタント。
ベーコン(Francis Bacon、1561年~1626年)…イギリスの哲学者、神学者、法学者。
ジョージ・オーウェル(George Orwell、1903年~1950年)…イギリスの作家、ジャーナリスト。
ロバート・ノージック(Robert Nozick、1938年~2002年)…アメリカの哲学者。
ジョン・ロールズ(John Bordley Rawls、1921年~2002年)…アメリカの哲学者。
ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe、1749年~1832年)…ドイツの詩人、作家、自然科学者、政治家、法律家。
あだち充…(あだち・みつる、1951年~)…漫画家。群馬県伊勢崎市の出身。前橋商業高等学校を卒業。本名は読みが同じで安達充の表記。
魯迅(ろ・じん、Lu Hsün、1881年~1936年)…中国の小説家、思想家。本名は周樹人(しゅう・じゅじん、Chou Shu-jen)。
中島敦(なかじま・あつし、1909年~1942年)…小説家。東京都新宿区の生まれ。第一高等学校、東京帝国大学文学部国文科を卒業。
J. K. ローリング(J. K. Rowling、1965年~)…イギリスの作家、脚本家。
ガース・ウイリアムズ(Garth Montgomery Williams、1912年~1996年)…アメリカのイラストレーター。
以上、著者に関して。
章末に、関連本が6冊ずつ紹介。さらにこの6冊に関しては、A・B・Cと難易度も記載されている。
26冊+72冊=98冊の本がトータルで紹介されている。しかも、ジャンルを問わず、コミックなども入っている点もポイント。
2021年5月20日には、文庫版も刊行。
『読書は格闘技』の感想
瀧本哲史の本は全て所持していて、読んでいる。この『読書は格闘技』については、二度程読み通している。
この本を通じて知った本もあれば、この本で改めて読んでみようと思った本もある。
具体的に言えば『ザ・ゴール』や『影響力の武器』などを読んだ。
特に『影響力の武器』は、「値段がそこそこするので、あまり読む人がいない」という事を聞いて、それならばと思い、購入して読了。
文量も多く、読みやすいとは言えないが、何とか通読した記憶がある。もちろん、かなり勉強になる部分が多かった。
ただ、それを日常での行為に結び付けるのは、なかなか難しいとは思ったけれど。
読書が好きな人間として、ただ書かれたものを盲目的に受け入れるだけではなく、批判的に読み進めて、自分の考えの強化や新しい考え方の認識、また日常行為への落とし込みなどを、意識していかなければと思った。
読書好き、本好き、瀧本哲史のファンなどには、非常にオススメの一冊である。