『ミライの授業』瀧本哲史

瀧本哲史の略歴

瀧本哲史(たきもと・てつふみ、1972年~2019年)
経営コンサルタント。投資家。教育者。
麻布中学校・高等学校、東京大学法学部を卒業。
東京大学大学院法学政治学研究科助手やマッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て、京都大学産官学連携センターの客員准教授も務める。

『ミライの授業』の目次

14歳のきみたちへ
ガイダンス――きみたちはなぜ学ぶのか?
1時限目 世界を変えるたびは「違和感」からはじまる
2時限目 冒険には「地図」が必要だ
3時限目 一行の「ルール」が世界を変える
4時限目 すべての冒険には「影の主役」がいる
5時限目 ミライは「逆風」の向こうにある
ミライのきみたちへ

概要

2016年6月30日に第一刷が発行。講談社。266ページ。ソフトカバー。148mm×210mm。A5判。

章題にもある通り、14歳向けに書かれたもの。だからと言って、レベルが低いものではない。講義のような形式となっている。

講義のタイトルは「未来をつくる5つの法則」。

目次には、法則ではなく、1時限目という風に書かれているが、それぞれの章題が法則ということ。

またそれぞれの時限などの終わりには、まとめがあり、総括できるようになっている構成。

19人の人物を紹介しながら、上記の法則を解説していく。

アイザック・ニュートン(Isaac Newton、1643年~1727年)…イングランドの自然哲学者、数学者、物理学者、天文学者、神学者。

フランシス・ベーコン(Francis Bacon、1561年~1626年)…イギリスの哲学者、神学者、法学者、政治家、貴族。

ヘンリー・フォード(Henry Ford、1863年~1947年)…アメリカ合衆国の企業家、自動車会社フォード・モーターの創設者。

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale、1820年~1910年)…イギリスの看護婦、社会起業家、統計学者、看護教育学者。「近代看護教育の母」とも。

高木兼寛(たかき・かねひろ、1849年~1920年)…海軍軍人、最終階級は海軍軍医総監(少将相当)。医学博士。男爵。東京慈恵会医科大学の創設者。「ビタミンの父」とも。

森鷗外(もり・おうがい、1862年~1922年)…小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。

ニコラウス・コペルニクス(Nicolaus Copernicus、1473年~1543年)…ポーランド出身の天文学者。『天球の回転について』を著して、太陽中心説、つまり地動説を唱えた。

クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus、1451年頃~1506年)…イタリア出身の探検家、航海者。

大村智(おおむら・さとし、1935年~)は、化学者(天然物化学)。2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞。

ビル・ゲイツ(William Henry “Bill” Gates III、1955年~)…アメリカの実業家、慈善活動家。マイクロソフトの共同創業者。

トーマス・エジソン(Thomas Alva Edison、1847年~1931年)…アメリカ合衆国の発明家、起業家。

嘉納治五郎(かのう・じごろう、1860年~1938年)…柔道家、教育者。現在の兵庫県出身。東京帝国大学文学部哲学政治学理財学科卒業。

ベアテ・シロタ・ゴードン(Beate Sirota Gordon、1923年~2012年)…アメリカ合衆国の舞台芸術監督。1946年の日本国憲法の制定に関わった人物。少女時代を日本で過ごした経験がある。

ココ・シャネル(Coco Chanel、1883年~1971年)…フランスのファッションデザイナー、企業家。

伊能忠敬(いのう・ただたか、1745年~1818年)…商人、天文学者、地理学者、測量家。『大日本沿海輿地全図』を完成させた人物。

マーガレット・サッチャー(Margaret Hilda Thatcher、1925年~2013年)…イギリスの政治家。保守党初の女性党首、イギリス初の女性首相を歴任。「鉄の女(Iron Lady)」とも。

グレゴール・メンデル(Gregor Johann Mendel、1822年~1884年)…オーストリア帝国・ブリュン(現在のチェコ・ブルノ)の司祭。植物学の研究を行ない、メンデルの法則と呼ばれる遺伝に関する法則を発見。「遺伝学の祖」とも。

J・K・ローリング(J. K. Rowling、1965年~)…イギリスの小説家、脚本家、慈善家。『ハリー・ポッター』シリーズの作者。

緒方貞子(おがた・さだこ、1927年~2019年)…国際政治学者。独立行政法人国際協力機構理事長、国連人権委員会日本政府代表、日本人初の国連難民高等弁務官、アフガニスタン支援政府特別代表を歴任。

そして、20人目は、読者の“あなた”である、という締め方。

感想

既に2度読んでいるこの『ミライの授業』

14歳向けに書かれてあるので、言葉遣いも柔らかく読みやすい。さらに紹介の順番もスムーズである点も見逃せない。流れも素晴らしい。

上記の19人の偉人たちの他に、参考になるような書籍も「ミライのきみたちへ」の章で、「ミライの図書館」「参考文献」という形で紹介。

「ミライの図書館」では、章毎に参考となる書籍を提示。また「参考文献」では、さらに多くの書籍が掲載されている。

私自身も、この中から気になった本を購入した。

特に印象に残っているのは瀧本哲史が序文を書いている『ゼロ・トゥ・ワン』。PayPalの創業者のピーター・ティール(Peter Andreas Thiel、1967年~)について書かれている本である

テーマが様々な分野に渡っているので、きっと興味や関心のある本が見つかるはず。また、多くの偉人たちの紹介から、歴史や各種テーマの勉強にもなる。

14歳向けではあるが、瀧本哲史が京都大学で講義をしていた内容を基にしているので、大人でも充分に満足できる。というよりも、満足以上だと思う。

子供を持つ方は、家族で一緒になって読む事ができるはず。非常にオススメの書籍である。

書籍紹介

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