
- インプットとアウトプット
- 戦略的なアプローチ
- 持続性と自己規律
- 価値の創造と発信
- 染谷昌利の略歴・経歴
- 『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の目次
- 『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の概要・内容
- 『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の要約・感想
- ブログ飯は稼げない? 染谷昌利の教えを徹底解説
- 著者の原点、それは圧倒的なインプット
- 「趣味」から「仕事」へ、意識の転換点
- 初期戦略としての「量産」という現実
- 一点集中が生んだ爆発的成長
- 成功は再現できるか?パターンの確立
- あなたがブログを始める「必要性」とは
- 「継続」よりも「残り続ける」という価値
- 時間を生み出すための自己規律
- アイデアを生み出す思考のフレームワーク
- なぜ、情報を発信し続けなければならないのか
- 価値を「横流し」する人、「付加」する人
- ブルーオーシャンは「創り出す」もの
- 失敗し続けることは、むしろ難しい
- 「強み」の公開が利益を生むサイクル
- 本書の誕生秘話と成功の本質
- まとめ:『ブログ飯』は、個の時代を生き抜くための哲学書である
- 書籍紹介
- 関連書籍
染谷昌利の略歴・経歴
染谷昌利(そめや・まさとし、1975年~)
アフィリエイター、実業家。
埼玉県の出身。4年制大学を卒業。就職情報誌の営業、自動車関連企業の人事担当者、不動産関連企業の人事担当および営業担当を12年間経験。2009年に非IT系出身ブロガーとして独立。
『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の目次
はじめに 本書を読む注意点
第一章 私が「ブログ飯」になるまで
第二章 ただのブログを「飯が食えるブログ」に変える
第三章 継続して成長を出すブログの違い
第四章 個人でお金を稼ぐということ
第五章 SNSことはじめ
第六章 突き抜ける技術
特別コラム:鬼嫁は見た! ~ 没個性サラリーマンの華麗なる転身の祕密 ~
おわりに
『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の概要・内容
2013年6月21日に第一刷が発行。インプレスジャパン。236ページ。電子書籍。
副題は「個性を収入に変える生き方」。
『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の要約・感想
- ブログ飯は稼げない? 染谷昌利の教えを徹底解説
- 著者の原点、それは圧倒的なインプット
- 「趣味」から「仕事」へ、意識の転換点
- 初期戦略としての「量産」という現実
- 一点集中が生んだ爆発的成長
- 成功は再現できるか?パターンの確立
- あなたがブログを始める「必要性」とは
- 「継続」よりも「残り続ける」という価値
- 時間を生み出すための自己規律
- アイデアを生み出す思考のフレームワーク
- なぜ、情報を発信し続けなければならないのか
- 価値を「横流し」する人、「付加」する人
- ブルーオーシャンは「創り出す」もの
- 失敗し続けることは、むしろ難しい
- 「強み」の公開が利益を生むサイクル
- 本書の誕生秘話と成功の本質
- まとめ:『ブログ飯』は、個の時代を生き抜くための哲学書である
ブログ飯は稼げない? 染谷昌利の教えを徹底解説
ブログで生計を立てる。それは、インターネットが生活に浸透した現代において、多くの人が一度は夢見る生き方の一つであろう。
本書『ブログ飯』は、まさにその夢を実現するための思考法と実践術を記した一冊である。
著者は、会社員から独立し、ブログからの収益で生計を立てる、いわゆる「プロブロガー」の草分け的存在である染谷昌利(そめや・まさとし、1975年~)。
本書のタイトルについて、著者は「はじめに」でこう語っている。
本書のタイトル「ブログ飯」は、お笑いコンビ「笑い飯」さんからヒントを得ました。巷で言われている話によると、「笑い飯」とは、「笑いで飯を食う」に由来したとされています。ブログ(を使ったアフィリエイト、アドセンス)で飯を食っている私だから、「ブログ飯」となるわけです。(P.7「はじめに」)
正直に言うと、このタイトルには少々、時代を感じるかもしれない。
しかし、その少し泥臭いネーミングとは裏腹に、本書で語られる内容は、個人の力で情報発信をし、収益を得ていく上で、極めて本質的で、普遍的な原則に満ちているのである。
この記事では、『ブログ飯』に記された、一個人が情報発信によって経済的自立を果たすための知恵を、本書の引用を交えながら、深く、そして多角的に解説していく。
著者の原点、それは圧倒的なインプット
著者の染谷昌利は、どのようにして「ブログ飯」を達成するに至ったのか。その原点を探ると、一つの興味深い事実に突き当たる。
それは、彼の圧倒的な読書量である。
僕は昔から本が好きで、会社員時代はビジネス書や自己啓発系の書籍などを数百冊のレベルで読みあさっていました。(P.24「第一章 私が「ブログ飯」になるまで」)
「ブログで稼ぐ」と聞くと、多くの人は特殊なスキルや才能が必要だと考えるかもしれない。しかし、染谷の原点は、地道なインプットの積み重ねにあったのである。
数百冊の読書を通じて培われた知識、多様な視点、そして論理的思考力。
それらが、彼の文章の骨格となり、後にブログという形でアウトプットされる際の強力な武器となったことは想像に難くない。
情報を発信する上で、良質なインプットが不可欠であるという、基本的ながらも見過ごされがちな真理を、彼の経歴は物語っている。
文章を書くこと、情報を発信することの根底には、どれだけの知識と経験を蓄積しているかが問われる。
読書好きであることが、優れた書き手であるための必須条件ではないが、強い相関関係があるのは事実であろう。
「趣味」から「仕事」へ、意識の転換点
会社を辞め、独立の道を選んだ染谷は、ブログを書く行為を「趣味」から「仕事」へと完全に切り替える。その意識の変化は、日々の行動に明確に表れていた。
今までの経験から、飯が食えるブログを作るためには、とにかくネタを集める必要があるという事は強く意識していました。何かを経験したら「メモ」、「撮影」、「背景の調査」は忘れずに。これは会社を辞めた後に、自分に課した最低限の仕事でもありました。これからは、ブログを書くのは趣味ではなく仕事なのです。(P.29「第一章 私が「ブログ飯」になるまで」)
日常のすべてがブログのネタになる。この視点を持つことが、「ブログ飯」への第一歩である。
単に面白い出来事があったから書くのではなく、書くために日常を観察し、記録し、調査する。この主体的な情報収集の姿勢こそが、プロとアマチュアを分ける決定的な違いなのだ。
「メモ」「撮影」「背景の調査」。この3つの行動は、単なる記録作業ではない。
物事の表面をなぞるだけでなく、その本質や背景にある文脈を深く理解しようとする探求のプロセスである。
このプロセスを経ることで、情報は単なる事実の羅列から、読者にとって価値のある洞察へと昇華される。
「ブログを書くのは仕事」。この言葉の重みを、我々は真剣に受け止める必要がある。
それは、単に収益を得るため、というだけではない。読者に対して価値を提供するという責任を負う、プロフェッショナルとしての覚悟を意味するのである。
初期戦略としての「量産」という現実
独立当初、染谷が取った戦略は、一つのブログをじっくり育てるというものではなかった。
複数のウェブサイトを立ち上げ、収益の柱を分散させる、いわゆる「量産戦略」であった。
銀座ランチガイドが同程度のアクセス数で一日500円前後の収益が発生していましたから、同レベルのウェブサイトを10個作れば月に15万円、20個作れば30万円の収益になると考えていたからです。(P.33「第一章 私が「ブログ飯」になるまで」)
一日500円。月に換算すれば約1万5,000円。
この数字だけを見れば、決して大きな額ではないかもしれない。しかし、これを「再現可能なモデル」として捉え、横展開していくという発想は、非常に合理的である。
一つのサイトに依存するリスクを避け、複数の収益源を確保する。これは、個人の事業におけるポートフォリオ戦略そのものである。
もちろん、この戦略は簡単な道ではない。当時の染谷の状況は、決して楽観できるものではなかった。
12月から1月の時点では、50記事以上のブログは5個程度、10記事以下の小さなサイト群は50~60個できてはいるものの、貯金はどんどん減っていくという状況でした。月5万~10万程度の額をウロウロしていました。(P.36「第一章 私が「ブログ飯」になるまで」)
50から60個のサイト群。この数字に圧倒される人も多いだろう。
それぞれのサイトには、サーバー代やドメイン代といった固定費がかかる。収益が不安定な初期段階においては、これらは重い負担としてのしかかる。
しかし、この圧倒的な作業量、試行錯誤の数こそが、成功確率を上げるための唯一無二の方法だったのである。
どのジャンルが当たりやすいのか、どのような切り口が読者に響くのか。それを知るためには、実際に市場に問い、反応を見るしかない。
この泥臭いまでの実践の積み重ねが、後の飛躍の土台を築いたのだ。
一点集中が生んだ爆発的成長
量産戦略で試行錯誤を続ける中、染谷に転機が訪れる。
それは、自身が購入したスマートフォンに関する記事が、予想外のアクセスを集めたことだった。
彼は、この好機を逃さなかった。一時的な成功に満足することなく、その領域にリソースを集中投下するという決断を下す。
そして1カ月もしないうちに100記事近い情報を立て続けに更新するなど、1日の時間のほぼすべてをこのブログの作成に費やしました。ソーシャルメディアも一般化しつつあった時期だったのも、幸いしました。検索エンジンだけでなくTwitterなどのSNSで情報が拡散されることにより、7月には1日3万PVを超えるような人気サイトに育っていたのです。(P.40「第一章 私が「ブログ飯」になるまで」)
1ヶ月で100記事。単純計算で一日3記事以上という驚異的なペースである。
これは、もはや趣味の領域を完全に逸脱した、「仕事」としてのコミットメントの表れだ。
この一点集中戦略は、見事に功を奏した。時代の追い風も受け、ブログは爆発的な成長を遂げる。
ここに、量産戦略から一点集中へと移行する、ブログ運営における重要な戦略転換のヒントが隠されている。
広く網を張り、可能性を探るフェーズ。そして、手応えのあった一点を見極め、深く掘り下げるフェーズ。
この二つの段階を的確に使い分けることが、成功への道を切り拓くのである。
成功は再現できるか?パターンの確立
一つの成功体験は、時に人を慢心させる。しかし、染谷はそこで立ち止まらなかった。
彼が次に考えたのは、その成功をいかにして「再現」するか、ということであった。
そこで私が考えたのは、この爆発を再現できないかということでした。(P.41「第一章 私が「ブログ飯」になるまで」)
彼は、最初の成功を「まぐれ」で終わらせなかった。なぜそのブログは成功したのか。
アクセスの流入経路、読者のニーズ、記事の構成、キーワードの選定。あらゆる要素を徹底的に分析し、成功の要因を言語化、パターン化していったのである。
そして、その成功パターンを、別のジャンルに応用していく。
まずはあなた自身の成功パターンを確立し、そのパターンがうまく活用できるようになったらまた違うジャンルで頭一つ突き抜ける。2つ目のパターンが成立したら、さらに新しいジャンルを開拓する。これの繰り返しです。(P.48「第一章 私が「ブログ飯」になるまで」)
これこそが、持続的に成果を出し続けるための核心である。
一つの成功に安住するのではなく、それを抽象化し、横展開可能な「型」に落とし込む。そして、その型を武器に、新たな領域へと挑戦を続ける。
このプロセスは、まさに事業開発そのものである。
ブログ運営とは、単なる記事作成作業ではなく、仮説検証を繰り返しながら、独自の成功法則を見つけ出していく、知的なゲームなのだ。
あなたがブログを始める「必要性」とは
『ブログ飯』は、具体的なテクニックだけでなく、ブログを運営する上での根源的な問いを我々に投げかける。
●「なぜそのブログをあなたが始める必要があるのか」
●「誰にあなたのメッセージを伝えたいのか」
●「どのような表現手法であなたのメッセージを分かりやすく伝えるのか」(P.59「第二章 ただのブログを「飯が食えるブログ」に変える」)
この三つの問いは、ブログという名の船が、どこへ向かうべきかを示す羅針盤である。
「なぜ、あなたが書くのか」。世の中には、すでに無数の情報が溢れている。
その中で、あえてあなたが新しい情報を発信する意味、その必然性は何なのか。それは、あなた自身のユニークな経験かもしれないし、他の誰も持っていない専門知識かもしれない。
この「必要性」こそが、ブログの存在価値そのものとなる。
「誰に伝えたいのか」。メッセージは、届けたい相手が明確であってこそ、その輪郭をはっきりとさせる。
万人受けを狙ったメッセージは、結局誰の心にも響かない。たった一人でもいい。その人の悩みや疑問に深く寄り添い、解決策を提示する。その意識が、ブログに魂を吹き込む。
「どう表現するのか」。メッセージを伝える手段は、文章だけではない。
写真、イラスト、動画、音声。自分の得意な表現手法、そして伝えたい相手に最も響くであろう表現手法を選択する。この戦略的な視点が、情報の伝達効果を最大化させる。
これらの問いに真摯に向き合うこと。
それが、「ただの日記」を「飯が食えるブログ」へと変えるための、最初の、そして最も重要なステップなのである。
「継続」よりも「残り続ける」という価値
ブログ運営で最も難しいことの一つが「継続」である。
多くの人が、志高くブログを始めるものの、やがて更新が途絶え、インターネットの片隅に放置されていく。
本書は、この「継続」という強迫観念に対して、少し異なる視点を提供する。
そしてもう一つ大切なこと。続けるというよりもその場所に残る、残り続けるということはそれだけで価値になります。(P.76「第二章 ただのブログを「飯が食えるブログ」に変える」)
毎日更新しなくてもいい。時には休んでもいい。
しかし、決してその場から去ってはならない。「残り続ける」こと。それ自体が、一つの価値を生むというのだ。
これは、非常に示唆に富んだ考え方である。インターネットの世界では、新しいものが次々と現れては消えていく。
その中で、一つのドメイン、一つのブログが、長年にわたって存在し続けているという事実そのものが、信頼性の証となる。
株式投資の世界でも、市場から退場しないことが最も重要だと言われる。
それと同じように、ブログの世界でも、まずは「生き残る」こと、その場に「居続ける」ことが、長期的な成功の礎となる。
完璧を目指して燃え尽きてしまうよりも、不定期でもいいから、細く長く発信を続ける。その粘り強さが、やがて大きな差を生むのである。
時間を生み出すための自己規律
「ブログを書く時間がない」。これは、多くの人が抱える共通の悩みであろう。
本書は、その解決策として、非常にシンプルかつ本質的な方法を提示する。
そしてもう一つやはり最良の時間捻出法は、酒、タバコの時間を減らすことでしょうか。健康にも財布にも優しいので、お勧めしたいです。(P.79「第二章 ただのブログを「飯が食えるブログ」に変える」)
これは、単なる健康論ではない。
「時間創出」という観点からの、極めて合理的な提案である。飲酒や喫煙に費やしていた時間を、そのままブログ執筆やネタ収集の時間に充てる。
この発想は、我々の日常に潜む「浪費時間」を可視化させてくれる。
惰性で見ていたテレビ、目的もなくスクロールしていたSNS。そうした時間を見直し、自己の目標達成のために再投資する。その自己規律こそが、他者との差を生む源泉となる。
時間を捻出することは、新たな時間を「創り出す」ことに他ならない。
誰にでも平等に与えられた24時間を、いかに自分の未来のために使うか。その意識的な選択が、人生の軌道を大きく変えていくのである。
アイデアを生み出す思考のフレームワーク
ブログを続けていると、誰もが「ネタ切れ」という壁にぶつかる。そんな時、闇雲に頭を捻っても、良いアイデアは生まれてこない。
染谷は、アイデア創出のための具体的な思考法として、ある古典的な理論を紹介している。
どうしても新しいアイディアが浮かばないというのであれば、商品企画によく使われるブレインストーミングの発想法としてアレックス・F・オズボーンが提唱した理論があります。(P.87「第二章 ただのブログを「飯が食えるブログ」に変える」)
アレックス・F・オズボーン(Alex F. Osborn、1888年~1966年)は、広告業界の重鎮であり、創造的問題解決の手法「ブレインストーミング」の生みの親として知られる人物である。
彼が提唱したチェックリストは、思考を強制的に発散させ、新たな視点をもたらすための強力なツールだ。
1.Other uses/他の使い方は無いか?
2.Adapt/過去に似たような成功例は無いか?
3.Modify/過去の成功例の何か(使い方、動き、形など)を変えられないか?
4.Magnify/拡大(大きさ、時間、規模、強さなど)してみる
5.Minify/縮小(小さく、短く、早く、省略など)してみる
6.Substitute/代用(材料、プロセスなど)してみる
7.Rearrange/並び替え(スケジュール、配列など)してみる
8.Reverse/逆・反対にしてみる
9.Combine/組み合わせてみる
(P.87「第二章 ただのブログを「飯が食えるブログ」に変える」)
これらの9つの問いを、自分のブログのテーマや既存の記事に投げかけてみる。すると、これまで思いもよらなかったような切り口や、新しい企画の種が見つかるはずだ。
例えば、「ブログ記事」というテーマに当てはめてみよう。
「他の使い方は?」(音声コンテンツにする、動画にする)、
「縮小してみる?」(要点をツイートにまとめる)、
「組み合わせてみる?」(複数の記事をまとめて一つの電子書籍にする)。
このように、思考の「型」を持つことは、安定して質の高いアウトプットを生み出し続ける上で、非常に重要である。
創造性とは、天から降ってくるものではなく、こうした体系的な手法によって引き出すことができる能力なのだ。
なぜ、情報を発信し続けなければならないのか
ブログを始めたばかりの頃は、誰も読んでくれないという現実に直面し、心が折れそうになる。なぜ、反応がないのに発信を続けなければならないのか。
その問いに対する、本書の答えは非常に明快かつ、ある意味で厳しい。
発信し続ける理由は「世間はそれほどあなたに興味がない」からです。自分から言わないと、叫ばないと、世の中の人は情報をキャッチしてくれないのです。(P.129「第四章 個人でお金を稼ぐということ」)
この言葉は、個人が情報発信をする上での大前提として、心に刻んでおくべきである。
あなたがどれだけ素晴らしい知識や経験を持っていたとしても、それを発信しない限り、誰にも知られることはない。
世の中は、あなた以外の情報で満ち溢れている。
その中で、あなたの声に耳を傾けてもらうためには、粘り強く、繰り返し、叫び続けるしかないのだ。
「誰も私に興味がない」。
この一見すると残酷な事実を認識すること。それが、他責や言い訳を捨て、主体的に情報を発信していくための、出発点となるのである。
価値を「横流し」する人、「付加」する人
アフィリエイトブログなどでよく見られるのが、単に商品のスペックや公式情報を並べただけの記事である。
これでは、読者は公式サイトを見れば済む話だ。
成果を出す人と出せない人の差は、どこにあるのか。染谷は、その違いを「価値の付加」という点で鋭く指摘する。
成果を上げている人は商品の価値に自分の見解や情報を付加し、さらに商品の魅力を向上させています。成果を上げていない人は商品の価値を横流ししているだけなのです。(P.147「第四章 個人でお金を稼ぐということ」)
これは、ブログに限らず、あらゆるビジネスに共通する原理原則である。
単なる仲介者、情報の横流し屋に価値はない。そこに、自分ならではの「見解」や「解釈」を加えてこそ、初めて独自の価値が生まれる。
例えば、ある商品を紹介する際に、スペックを羅列するのではなく、「自分が実際に使ってみて、生活がどう変わったか」という体験談を語る。
あるいは、「この商品のこの機能は、こういう悩みを抱えている人にこそ響くはずだ」という独自の視点を提示する。
その「あなたフィルター」を通した情報こそが、読者が本当に求めているものである。
その付加価値に対して、読者は信頼を寄せ、結果として収益という形で還元されるのだ。
ブルーオーシャンは「創り出す」もの
多くの人が、競争のない未開拓の市場、いわゆる「ブルーオーシャン」を探し求める。しかし、本書はそのような安易な考えを一刀両断する。
ブルーオーシャンなんてものは、「今」「この世界」には存在しないもの。「これから」「あなたが」「新しく」「創りだして」いく市場こそがブルーオーシャンです。そのブルーオーシャンを創り出すまでは、血みどろのレッドオーシャンを生き抜いていく必要があるということを忘れてはいけません。(P.153「第四章 個人でお金を稼ぐということ」)
誰もが楽して稼げる市場など、初めから存在しない。
もし存在したとしても、すぐに競合が参入し、あっという間に血で血を洗う「レッドオーシャン」と化す。
真のブルーオーシャンとは、既存の市場の掛け合わせや、新しい切り口の提示によって、自らの手で「創り出す」ものなのだ。
例えば、「子育て」と「プログラミング学習」を掛け合わせることで、「親子で学ぶプログラミングブログ」という新たな市場を創出する。
そして、その独自の市場を確立するまでは、既存の競争が激しい市場で戦い、実力をつけ、生き残っていく覚悟が必要である。
レッドオーシャンでの戦いを通じて得た経験と知見こそが、新たなブルーオーシャンを創造するための羅針盤となるのである。
またW・チャン・キム(W. Chan Kim、1951年~)の『新版 ブルー・オーシャン戦略』をしっかり読み込むのも良いだろう。
失敗し続けることは、むしろ難しい
挑戦には失敗がつきものである。しかし、失敗を恐れるあまり、行動を起こせない人があまりにも多い。
本書は、そんな我々の背中を力強く押してくれる、逆説的な真理を提示する。
極端なことを言うと、失敗し続ける方が、逆に難しいことです。100回も200回もチャレンジしてみたら、いくつかはうまくいってしまうものです。小さくてもいいから1つの成功事例を実感することができたら、その結果を極大化する方法をまた1つ1つ試していけばいいのです。(P.201「第六章 突き抜ける技術」)
この発想の転換は、驚くほど心を軽くしてくれる。
確かに、200回連続でくじを引いて、すべてがハズレである確率の方が低いだろう。試行回数を重ねれば、統計的に、いずれかの時点で「当たり」を引いてしまうものなのだ。
重要なのは、失敗を失敗として終わらせないこと。
そして、挑戦の回数を増やすことである。大数の法則が示すように、試行回数こそが、成功確率を収束させる唯一の変数なのだ。
まずは小さな成功でいい。
一つの記事が少しだけ多くの人に読まれた。一つのツイートが少しだけ多くの反応を得た。その小さな成功体験を大切にし、なぜそれが起きたのかを分析し、再現性を高めていく。
その地道な繰り返しが、やがて大きな成果へと繋がっていく。
「強み」の公開が利益を生むサイクル
自分には、人に誇れるような強みなどない。そう思い込んでいる人は少なくない。しかし、本書は、その「思い込み」こそが、成長を妨げる最大の要因であると指摘する。
「自分の強みを徹底的に洗い出し、その情報を公開することで、読者に最大限の利益を与える」。言われてみれば当たり前のことですが、この当たり前の事にすら、気付かぬまま漫然と行進している人が大多数なのです。(P.217「第六章 突き抜ける技術」)
自分の強みを認識し、それを惜しみなく公開する。
その情報が、読者にとっての利益となる。そして、読者に価値を提供し続けることで、巡り巡って自分自身に利益が還ってくる。
このサイクルを理解し、実践することが、突き抜けるための鍵である。
ここで言う「強み」とは、何も国家資格や輝かしい経歴だけを指すのではない。
「誰よりも〇〇が好きで、語りだしたら止まらない」「〇〇で大きな失敗をした経験があり、その教訓を語れる」「地道な作業をコツコツと続けるのが得意」。
そうした、一見すると些細なことでも、視点を変えれば、誰かにとっての価値ある情報となり得る。
まずは、自分自身の棚卸しを徹底的に行うこと。
そして、勇気を出して、その強みを世の中に公開すること。その一歩が、停滞を打ち破り、新たな展開を生み出すのである。
本書の誕生秘話と成功の本質
本書を読み進めていくと、最後に一つのサプライズが用意されている。それは、「特別コラム」として寄せられた、染谷の妻による手記である。
独立したものの、なかなか成果が出ずに苦しんでいた染谷。
その彼に対し、妻は厳しい問いを次々と投げかけたという。その時の問答が、実は本書の骨子となっている、というのだ。
ここまで読んで「あれ?」と思いませんか?そう、この本に書かれている内容は、私がそこで語った事の焼き直しなのです。
文章や絵を生業にしてきた私は、表現としての「魅せ方」や、企画の立て方、売り込み方などを、マサオに伝授したのです。(P.222「特別コラム:鬼嫁は見た! ~ 没個性サラリーマンの華麗なる転身の祕密 ~」)
このエピソードは、二つの重要な示唆を与えてくれる。
一つは、どれだけ優れたノウハウも、他者に説明できるレベルまで言語化、体系化されて、初めて真の価値を持つということ。
妻からの鋭い質問に答える中で、染谷の頭の中にあった漠然とした知識が、整理され、普遍的なメソッドへと昇華されていったのである。
もう一つは、最も身近な他者の存在の重要性である。
自分一人では気づけない視点や、客観的なフィードバックを与えてくれるパートナーの存在。それがいかに貴重で、成功の大きな要因となり得るか。
彼の成功は、決して孤独な戦いの末に得られたものではなく、身近な人との対話の中から生まれた、という事実は、我々に人間的な温かみと勇気を与えてくれる。
まとめ:『ブログ飯』は、個の時代を生き抜くための哲学書である
『ブログ飯』は、単なるブログの稼ぎ方を教えるノウハウ本ではない。
それは、会社という組織に依存せず、一個人が自らの力で価値を生み出し、生計を立てていくための、普遍的な思考法と行動哲学を記した一冊である。
圧倒的なインプットとアウトプット。量産と一点集中の戦略的使い分け。
継続よりも「残り続ける」という粘り強さ。失敗を恐れず、試行回数を重ねることの重要性。
本書で語られる数々の教えは、ブログという領域を超え、これからの不確実な時代を生き抜く、すべての人にとっての指針となり得るだろう。
予想以上に、本書から得られる学びは多かった。小手先のテクニックではなく、物事の本質を突く言葉の数々が、心に深く突き刺さる。
「試行回数、大数の法則を体現する」。本書を読み終えた今、そう決意を新たにする。
この本は、読むだけでなく、実践して初めて、その真価がわかる。さあ、あなたも「ブログ飯」への一歩を、今日から踏み出してみてはいかがだろうか。
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