『ウェブ時代 5つの定理』梅田望夫

梅田望夫の略歴

梅田望夫(うめだ・もちお、1960年~)
IT企業の経営コンサルタント。
東京都の生まれ。慶應義塾幼稚舎から慶應義塾で学び、慶應義塾大学工学部電気工学科を卒業。
東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程を修了。
父親は、劇作家・フランス文学者の梅田晴夫(うめだ・はるお、1920年~1980年)。

『ウェブ時代 5つの定理』の目次

文庫版まえがき
まえがき――私の勉強法
第1定理 アントレプレナーシップ
第2定理 チーム力
第3定理 技術者の眼
第4定理 グーグリネス
第5定理 大人の流儀
あとがき――私の最終定理
出典一覧
解説 僕も彼らの言葉に学んだ グリー株式会社 代表取締役社長 田中良和

概要

2010年2月10日に第一刷が発行。文春文庫。302ページ。

2008年3月に刊行された単行本を文庫化したもの。

梅田望夫によるシリコンバレーを中心とした書籍の第二作目。第一作目は『シリコンバレー精神』

この作品では、梅田望夫が日々の勉強、情報収集の中で、感銘を受けた言葉、感動した言葉などを掲載し、そこにまつわるエピソードや考察などを記述。

そこに選ばれているのは、英語の言葉。日本語の訳も併記されているので、英語が得意で無い方も安心。

ウェブ、IT、シリコンバレー、起業などに興味がある人には非常に楽しめる内容。

解説は、インターネット企業のグリー株式会社の創業者で、2021年11月現在も代表取締役社長の田中良和(たなか・よしかず、1977年~)。

感想

梅田望夫の書籍は、ある程度読んでいる。

父親が劇作家・フランス文学者の梅田晴夫ということで、影響は少なからずあると思うが、文章が上手い。

また梅田望夫は、村上春樹(むらかみ・はるき、1949年~)が好きだという。この辺りも、高い文章技術に関して、影響があるのかもしれない。

忘れていたが、自分の記録を見ると再読していた。前向きな英語の言葉が数多く掲載しているから、読み返したのだろう。

ウェブ時代を生き抜く上で大切な5つの定理を紹介している。

アントレプレナーシップは、もうかなり広く利用されている言葉というか、少し使われなくなったくらいの言葉かもしれない。

日本語で言えば、起業家精神。

会社員や雇われという感じではなく、自らがビジネスを興して始めていくという気持ち。

第4の定理では、“グーグリネス”が紹介されている。ウェブをリードしているグーグルという会社の気質やグーグルらしさを表す言葉である。

この言葉はそこまで広まらなかったような気もする。それでも2021年現在でもグーグルは大きな力を持っている。

シリコンバレーなどのIT関連の先人たちの言葉が豊富に掲載されている。以下、列挙。

インテルの3番目の社員であり実業家のアンドルー・スティーヴン・グローヴ(Andrew Stephen Grove、1936年~2016年)。

実業家でコンピュータ技術者であるC・ゴードン・ベル(C. Gordon Bell、1934年~)。

Amazonの共同創業者のジェフリー・プレストン・ベゾス(Jeffrey Preston Bezos、1964年~)。

Appleの共同設立者でNeXTの創業者のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs、1955年~2011年)など。

私が特に気に入った言葉は英語ではないが、解説で田中良和が梅田望夫の発言を紹介している部分。

「人生でチャンスの窓が開いている期間は少ない。結果を出す人とそうでない人の違いは、その窓が開いている間にチャンスを摑めるかどうかなんだよ」(P.302「解説」)

グリーを創業する前に、若手向けの勉強会で梅田望夫が語った言葉だという。

チャンスは大事にしていきたいと思う。

前向きな言葉が沢山載っているので、ポジティブになりたい時などにもオススメの書籍である。

書籍紹介

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