トーマス・ラッポルトの略歴
トーマス・ラッポルト(Thomas Rappold、1971年~)
起業家。ジャーナリスト。
ドイツの生まれ。保険会社アリアンツでオンライン金融ポータルの起ち上げに従事。後に複数のインターネット企業の創業者となる。
ピーター・ティールの略歴
ピーター・ティール(Peter Thiel、1967年~)
アメリカの起業家、投資家。
西ドイツのフランクフルト生まれ。1歳の時にアメリカのオハイオ州に移住。さらにアフリカを経て、カリフォルニア州に移住。
スタンフォード大学で哲学を、スタンフォード大学のロー・スクールで法律を学ぶ。
決済サービスの会社PayPal(ペイパル)の共同創業者。初期のフェイスブックにも投資をしている。
『ピーター・ティール』の目次
はじめに なぜ世界は「この男」に注目するのか?
第1章 はじまりの地、スタンフォード大学
第2章 「競争する負け犬」になるな
第3章 常識はずれの企業・経営戦略
第4章 持論を発信する
第5章 成功のカギは「逆張り思考」
第6章 ティールの投資術
第7章 テクノロジーを権力から解放せよ
第8章 影のアメリカ大統領?
第9章 ティールの未来戦略
おわりに テクノロジーがひらく自由な未来へ
ピーター・ティールがシリコンバレーを離れる日――訳者あとがき
<巻末>原注
『ピーター・ティール』の概要
2018年5月6日に第一刷が発行。飛鳥新社。315ページ。ソフトカバー。127mm×188mm。四六判。
副題は「世界を手にした『反逆の起業家』の野望」。ピーター・ティールについて考察した著作。
訳者は、上智大学文学部ドイツ文学科と慶應義塾大学文学部を卒業している赤坂桃子(あかさか・ももこ、1955年~)。
原著は、2017年9月にドイツのフィナンツブック・フェルラーク社から刊行された『Thiel: Facebook, PayPal, Palantir – Wie Peter Thiel die Welt revolutioniert – Die Biografie』。
多方面に活躍する起業家のピーター・ティールを深く考察しようとする作品。
『ピーター・ティール』の感想
ピーター・ティールの『ZERO to ONE』を読んで、非常に刺激を受けた。
では、ピーター・ティール自身ではなく、別の人物がピーター・ティールについて書いた本を読んでみたいと思い、この『ピーター・ティール』を手に取る。
ピーター・ティールの思考を学べる一冊。
また、交友関係があったり、尊敬していたりする人物たちも数多く登場する。さらにインターネットやビジネス、投資などに関する歴史的事項や重要な人物たちについても紹介がされる。
マーク・アンドリーセン(Marc Andreessen、1971年~)…プログラマー、投資家。アイオワ州シダーフォー生まれ。イリノイ大学卒業。ネットスケープ・コミュニケーションズの共同創業者。
ティム・バーナーズ=リー(Timothy “Tim” John Berners-Lee、1955年~)…イギリスの計算機科学者。ロンドン生まれ。オックスフォード大学ザ・クイーンズ・カレッジで物理学を専攻。World Wide Web(WWW)の共同開発者。
ロバート・メランクトン・メトカーフ(Robert Melancton Metcalfe、1946年~)…アメリカの電気工学者。ニューヨークのブルックリン区生まれ。マサチューセッツ工科大学で、電気工学と産業管理の学士号を取得し卒業。
ハーバード大学大学院に進学し、応用数学の修士号、計算機科学(応用数学)の博士号を取得。イーサネットの共同発明者。
ベン・ホロウィッツ(Ben Horowitz、1966年~)…アメリカの事業家、投資家。イギリスのロンドン生まれ。カリフォルニア州バークレーで育つ。
コロンビア大学で、計算機科学の学士号を取得。カリフォルニア大学ロサンゼルス校で、計算機科学の修士号を取得。ネットスケープにプロダクトマネージャーとして参加。
マックス・ラファエル・レフチン(Max Rafael Levchin、1975年~)…計算機科学者、起業家。PayPalの共同設立者で元CTO。
ウクライナ共和国生まれ。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で計算機科学の学士号を取得。
ルネ・ジラール(René Girard、1923年~2015年)…フランス出身の文芸批評家。フランスのパリにある国立古文書学校で中世史を学ぶ。渡米し、インディアナ大学で歴史学の博士号を取得。
アメリカ合衆国のスタンフォード大学やデューク大学で比較文学の教授を務めた。ピーター・ティールが師と仰ぐ人物。
上記のような人物たちをはじめとして、多くの人々も登場。
『ZERO to ONE』と同様に、一読だけでは、とても消化しきれないくらいの情報量が詰まっている。スタートアップのルールや投資術についての具体的な内容など。
またピーター・ティールの愛読書についての記載。以下、抜粋。
- フランシス・ベーコン『ニュー・アトランティス』(岩波文庫)
- ジャン=ジャック・セルバン=シュルベール『アメリカの挑戦』(未訳:『American Challenge』)
- ノーマン・エンジェル『大いなる幻滅――軍事力と国家優位性の関係の研究』(未訳:『The Great Illusion: A Study of the Relation of Military Power in Nations to Their Economic and Social Advantage』)
- ニール・スティンブンスン『ダイヤモンド・エイジ』(ハヤカワ文庫)
じっくりと読んで、さらに登場してくる人物たちや紹介されている書籍などについても、知識を深めていきたくなる。
日本語訳も完璧という感じではないが、全体としては読みやすいのでオススメ。
ピーター・ティールについて、世界の起業家について、興味や関心のある人には、最適の本である。
書籍紹介
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スタンフォード大学
スタンフォード大学(Stanford University)は、、カリフォルニア州スタンフォードに本部を置くアメリカの私立大学。正式名称は、リーランド・スタンフォード・ジュニア大学(Leland Stanford Junior University)。
公式サイト:スタンフォード大学