佐久間宣行の略歴
佐久間宣行(さくま・のぶゆき、1975年~)
テレビプロデューサー、演出家。
福島県いわき市の出身。福島県立磐城高等学校、早稲田大学商学部を卒業。
1999年にテレビ東京に入社、2021年に退社してフリーに。
『ずるい仕事術』の目次
はじめに
第1章 仕事術編
第2章 人間関係編
第3章 チーム編
第4章 マネジメント編
第5章 企画術編
第6章 メンタル編
解説(齋藤修さん)
おわりに
※それぞれさらに8~14へと細かく分かれて構成されている。
『ずるい仕事術』の概要
2022年4月5日に第一刷が発行。ダイヤモンド社。ソフトカバー。231ページ。四六判。127mm✕188mm。
正確には『佐久間宣行のずるい仕事術』。副題は、“僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた”。
各章に、以下のようなCOLUMNがある。
COLUMN1 佐久間宣行のカバンの中身
COLUMN2 【INTERVIEW】芸人 おぎやはぎさん
COLUMN3 【INTERVIEW】放送作家 オークラさん
COLUMN4 【INTERVIEW】テレビ東京プロデューサー 伊藤隆行さん
COLUMN5 佐久間宣行の「企画書」公開!
COLUMN6 佐久間宣行のメンタル回復スポット&ドラマ・本
インタビューの登場人物。
おぎやはぎは、小木博明(おぎ・ひろあき、1971年~)と、矢作兼(やはぎ・けん、1971年~)によるお笑いコンビ。
オークラ(1973年~)は、放送作家。本名は、河野良(かわの・りょう)。群馬県富岡市の出身。日本大学理工学部土木工学科を中退。
伊藤隆行(いとう・たかゆき、1972年~)は、テレビプロデューサー、東京都小金井市の出身。早稲田大学高等学院、早稲田大学政治経済学部を卒業。1995年にテレビ東京に入社。
解説は、ニッポン放送のディレクターである齋藤修(さいとう・おさむ)。
『ずるい仕事術』の感想
もともとは、何で知ったのだろうか。たぶん、テレビ東京の番組「ゴッドタン」の初期辺りか。
初回のマジ歌選手権は、記憶に鮮明に残っている。出演者たちのマジな音楽性と、スタッフの構成やカメラワークなどに、驚き、そして、爆笑した。
恐らく、その頃からプロデューサーの佐久間宣行の名前は知っていたように思う。
面白い企画を考えるプロデューサーだな、と。
その後、かなりエンタメ好きだと知る。というか、ただのエンタメ好きというよりも、エンタメお化け。
テレビ東京の社員時代には、廊下を歩きながら、スマホでNetflixを観るなど、隙間時間を有効に?活用していたとか。
他にも、好きな劇団などの舞台は既にスケジュールに入れてしまうなど。
毎週水曜の深夜27時~28時30分まで、正確には木曜日の3時~4時30分までの時間帯で放送している「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」も聴いている。
Netflixで放送されている「トークサバイバー!」シリーズや「LIGHT HOUSE」もチェック済みである。
というわけで、そりゃ、著作も読んでみるでしょ、と手に取った。
ここまでは、佐久間宣行に関してのみ。
さらに、テレビ東京のプロデューサーの流れも加味する。
佐久間宣行の先輩が、COLUMN4に出てくる伊藤隆行。
伊藤隆行は、さまぁ~ずと一緒に「モヤモヤさまぁ~ず2」などを立ち上げて、長寿番組にした人物。
さらに佐久間宣行の後輩には、You Tubeのリハックで有名な高橋弘樹(たかはし・ひろき、1981年~)、ハイパーハードボイルドグルメリポートで知られる上出遼平(かみで・りょうへい、1989年~)も。
つまり、伊藤隆行、佐久間宣行、高橋弘樹、上出遼平というテレビ東京の流れ。
しかも何故か全員、早稲田大学の出身。
加えて、佐久間宣行、高橋弘樹、上出遼平は、テレビ東京を辞めて、独立している。
ちなみに、伊藤隆行は制作局長まで出世しているというコントラストも面白い。
そして、全員、書籍も出版している。やはり、上記の流れで読んでいこうと思って
伊藤隆行『伊藤Pのモヤモヤ仕事術』
佐久間宣行『ずるい仕事術』
高橋弘樹『TVディレクターの演出術』
上出遼平『ハイパーハードボイルドグルメリポート』
上記のように、読了していった。
で、今回は、佐久間宣行の『ずるい仕事術』について。
もともとは、講演に呼ばれるようになって、そのスライドの内容が基本らしい。他に、以前まではSNSのDMで悩み相談などを直接、返信していたという。
個人間でやるよりも、大きく書籍としてまとめて、多くの人に届けた方が良いのではないか、といった考えもあるとか。
SNSで個別対応していたのは凄い。そして何だか笑える。
これは少し感覚的な話になるけれど、ひと言で説明すると「俺、こんなもんじゃねえぞという顔をしている人」が、その答えだと思う。(P.108:第3章 チーム編・06 「イラついている実力者」と組め)
売れる人、才能のある人の見極め方を教えて欲しいと言われた場合の答えが上記。
やはり、ある種の怒りというか、不満というか、ハングリー精神が、透けて見える感じの人ということか。
何となくオラオラ感というよりも、溢れ出しちゃっているような感じっぽい。
架空の悪役やエピソードをでっちあげて、「われわれのチームにはそういう人はいないですよね」と事前の圧をかける。(P.136:第4章 マネジメント編・06 「問題児」には先手を打つ)
先手で封じ込める作戦として、「◯◯する奴はダサい」といった感じで、言いまくっておくという方法も。
そして、もう一つの作戦が上記の「嫌なヤツ」の捏造。
この発想は、めちゃくちゃ面白い。何かの時にも使えるかも。エピソード・トークとして、営業のジャブになるのかも。
やはり、佐久間宣行とかでも、このように色々と細かく考えて、人をマネジメントしてきたということか。
ギャンブルではなく、仮説を積み上げ、狙って挑んだ企画であれば、失敗しても意味のある失敗になる。僕たちが学べるのはこの「いい失敗」だ。(P.177:第5章 企画術編・10 「いい失敗」をする)
仮説思考と失敗から学ぶ、という方法。
意味のある失敗が、いい失敗。
意味の無い失敗が、悪い失敗。
何だか、最近読んでいる本だと、小さく失敗して修正していくのが良い、というものが多い気がする。
失敗なしで、成功する人なんていないと思うから、当然か。
論理を積み上げて、成功確率を上げていくということだな。
じつのところ……僕もギリギリまでがんばって「ポキン」と心が折れてしまい、しばらく引き籠もり生活を送っていたことがある。(P.197:第6章 メンタル編・01 「メンタル」第一、「仕事」は第二)
これは、驚いた。しかも、あんまり知られていないような。
というか、体力も気力も精神力も、凄い人物だと思っていたが、そのような時期があったとは。
まぁ、それでも、常人よりも桁違いなエネルギーの持ち主というのは、変わり無いけれど。
現在の仕事量とかも、明らかに異常だし、睡眠をしっかりと取っているのだろうかと思うし。
佐久間宣行でも、メンタルのマネジメントを第一にするのか。メンタルは大事だな。凡人であれば、もっと大切にしないといけないのかも。
運をバカにしてはいけない。
究極的に仕事はすべて、運で決まる。
徹底した現実主義で、占いも予言もまったく信じず、30代になるまで初詣にも行ったことがなかった僕がそう言うのだから、間違いない。(P.211:第6章 メンタル編・06 「運」を味方につける)
ほほう。これも面白いな。運が大事。
そして、佐久間宣行は占いや予言を信じないで、30代まで初詣にも行かなかったのか。
自分も占いとか予言とか興味は無いけれど。初詣は、一応、1月中にお参りに何処かには行くかなぁ、くらいか。
運というのは、信用の積み重ねという文章も。
さらに続きで、雑な仕事をしない、というのも運に繋がると。
丁寧な準備、誠実さ、つまり、事前のシミュレーションを怠らないこと。
すると運に巡りが良くなる感じということか。
経営者で、神棚に毎日お祈りしているとか良く聞くしな。
「神仏は敬えど頼まず」に加えて「消耗しない」の精神で、今後も頑張っていくとしよう。
というわけで、佐久間宣行のファンをはじめ、会社員、個人事業主、経営者など、多くの働く人にオススメのビジネス書である。