『俺か、俺以外か』ROLAND

ROLANDの略歴

ROLAND(ろーらんど、1992年~)
ホスト、実業家。
東京都八王子市の出身。帝京高等学校を卒業。推薦で大学に入学するが数日で中退。ホストの世界に入る。実績を残して、経営側に。更に様々なビジネスに着手。

『俺か、俺以外か』の目次

プロローグ
ローランド誕生
ローランドの名言 哲学
俺は、なんのために生まれてきたのか? 人から必要とされて、脚光を浴び、熱狂させるためだ。
ローランドの名言 美
プライドを持ち、エレガントに、美しく……。『人生を懸けて常にカッコよくいたい』と強く思えるのも、俺の才能。
ローランドの名言 愛
周りの人達から愛をもらって生きてきた俺の使命。それは、ローランドという存在でみんなを幸せにすること。
ローランドの名言 仕事
日本一のホストのなり方は、日本一のホストになった奴しか教えられない。
ローランドの名言 人生
常に過去の自分を超えてきた。ここから先は、まだ誰も歩いたことのない新たな世界への挑戦。
ローランド 珠玉の名言集
ローランド氏をより深く知るためのQ&A
エピローグ
電子書籍特典

概要

2019年3月11日に第一刷が発行。KADOKAWA。240ページ。

ホスト界の帝王と呼ばれるローランドの初の著書。各所で話題となったローランドの名言を中心に、哲学・美・愛・仕事・人生などのテーマを語っていく作品。

副題的に、“ローランドという生き方”。

編集部が選んだ名言をローランドが解説していくといった構成。

哲学・美・愛・仕事については7個、人生については20個の項目に、それぞれ細かく分かれている。

「ローランド氏をより深く知るためのQ&A」では、65個の質問にローランドが回答。

電子書籍には特典として、5枚のローランドの画像と直筆メッセージ&サインがある。

感想

テレビやTwitterなどで、ローランドの名言が話題となっていた。

ユーモアや斬新な切り口、溢れ出る自己肯定感。

なかなか面白くて、興味を持った。

kindle unlimitedにあったので読んでみた。正直な所、予想以上に、かなり面白かった。

語り口は軽快で、ユーモアも豊富。自己愛、自己肯定感が半端ない。

あとは行動力と自己内省も。キャラクター造形というか、自らを客体化している部分も。

俯瞰して自己を見つめる力が凄いということか。

文章がポップなため、深みは感じにくいが、読みやすく分かりやすい。

多くの人がターゲットになり得る書籍である。

以下、引用などをしながら解説。

そもそも真似されるというのは、魅力的だと思ってもらえている一番の証拠だ。なりたくないものを真似しようと、人は思わないのだから。
そう考えると光栄なことだし、真似されたらまた新しいものを作り出せばいいだけだ、と思っている。(No.326「ローランドの名言 哲学」)

ローランドが人気となり脚光を浴びるようになると、真似をする人も多くなってきた。そのことについての発言である。

真似されるのは嬉しいこと。また真似されて困ることはない。また新しいものを生み出せば良い。という考え。

自らの才能に対する強固な自信。

滲み出てる自己への信頼。

ポーズであったとしても、非常に素晴らしい精神姿勢である。

栄養士に相談し、しっかりとカロリー計算をするし、タバコは一切吸わないし、お酒もほとんど飲まない。(No.500「ローランドの名言 美」)

“タバコは一切吸わない”。

えっ!?

この『俺か、俺以外か』の表紙を、今一度確認してみよう。

ローランドが左手にライターを持ち、口にタバコを咥えている。

でも上記の発言。さらに後にもタバコは吸わないという記述が出てくる。

本当に、タバコは吸わない、ということ。

ある種の表紙詐欺。

てっきり、タバコは吸うのかと思っていた。表紙の姿もかなり様になっていたし。なるほど、ポーズだったのか。

なんだかヤラレタと思って、笑ってしまった。

ちなみに、上記の引用は、体型維持に関して、日々細心の注意を払っているという話。

もともと、サッカーに熱中していたアスリート。

ジムでのトレーニングも、継続しているとのこと。

俺は意図的に生活感を排除している。具体的にどんなことをしているのか、ひとつ例を挙げるとすれば、食べているシーンをメディアで極力発信しないこと。(No.595「ローランドの名言 美」)

自らの見せ方についても、しっかりと考えているローランド。

夢を魅せる仕事をしているから、生活感をなくしているという。

そのため、コンビニにも行かない。

私生活まで徹底しているプロフェッショナルである。

客観的に自らを把握しているということ。

ロックミュージシャンである矢沢永吉(やざわ・えいきち、1949年~)の「俺はいいけど、YAZAWAがなんて言うかな?」みたいな感じか。

そういえば、来週も映画を観に行く約束をしたよ。
大好きな自分とね!
一人旅が好きなのも、一人ドライブが好きなのも、大好きな自分とずっと一緒にいられるから。
I LOVE 自分!(No.768「ローランドの名言 愛」)

自分が大好きなローランド。

女性から「ローランドのことが好き」と言われて「俺も好きだよ!」と答える。

この「俺も好きだよ!」は、「俺も、君のことが好きだよ!」ではない。

「俺も、ローランドのことが好きだよ!」という意味。

本当に素晴らしい人間である。

自己肯定感の権化である。

面白いし、強い。

結局やりたいことを、情熱を持ってやっている人間が強いんだ。
自分の人生、自分が主役。
まさにそのとおりだ!
俺の人生、俺だけの人生。主役は誰にも譲らない。(No.1131「ローランドの名言 人生」)

割りと、ユーモアやジョーク、笑いなどを多用しているけれど、キメるところはしっかりとキメている。

ローランドという人物を通して、色々な人の背中を押している。

人生の主役は、当然、その人である。

それぞれの人が、それぞれ主役の人生を歩めば良いだけである。

このローランド様とて、ミスをするのだ。
それに弘法先輩も字を誤れば、メッシもPKを外すし、猿も木から落ちる。
そりゃあ、君達がミスをするなんてしょうがないオブしょうがないことだ。(No.1235「ローランドの名言 人生」)

弘法先輩は、弘法大師。

弘法大師を、弘法先輩という表現に変えるのも上手いところ。

弘法大師は、真言宗の開祖であり、書道にも優れた才能を持っていた空海(くうかい、744年~835年)である。

またメッシとは、アルゼンチンのサッカー選手であるリオネル・メッシ(Lionel Andrés Messi Cuccittini、1987年~)のこと。

もともとサッカーをやっていたローランドなので、時々、サッカーの例えなども出てくる。

そして、ミスはしょうがないものであるから、そこまで気にするなというメッセージ。

論理構成と言語表現が、やはり、かなり秀でている人物である。

まぁ、ある程度、編集部によって、色々と手を加えられたり、書き換えられたりはしているとは思うけれど。

いずれにしても、ローランドの魅力の詰まった一冊である。

改行も多く、そこまで文字数もないし、ページ数も多くはないので、サクサクと読めるのもポイント。

ローランドのファンだけではなく、ローランドに少しでも興味のある人、もしくは自己肯定感を向上させたい人、面白い文章を読みたい人などには、非常にオススメの作品である。

2021年7月8日には、第二弾となる『君か、君以外か』も刊行されている。

書籍紹介

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