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【選書】浅田次郎のおすすめ本・書籍12選:歴史・時代小説、代表作、文庫


浅田次郎(あさだ・じろう、1951年~)の作品といえば、直木賞受賞作『鉄道員(ぽっぽや)』や、『椿山課長の七日間』など、心温まる現代小説を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、浅田次郎の真骨頂であり、多くの読者を魅了し続けているのが、実は歴史・時代小説です。

「でも、時代小説って言葉が難しそう…」「歴史の知識がないと楽しめないのでは?」

そんな風に敬遠してしまっていませんか?

もしそうなら、非常にもったいないことです。

浅田次郎の歴史・時代小説は、そんな初心者の不安を吹き飛ばす「別格の面白さ」を持っています。

難しい専門用語や古い言葉遣いがありながらも、それを凌駕する物語の力と「浅田節」と呼ばれる独特のリズムで、驚くほど読みやすく、一気に引き込まれます。

この記事では、浅田次郎の歴史・時代小説を初めて手に取る方に向けて、その魅力と、あなたの「読みたい」に必ず応えるおすすめの本を厳選してご紹介します。

「泣ける」名作から「笑える」傑作まで、あなたにぴったりの一冊が必ず見つかるはずです。


1. 『新装版 お腹召しませ』 浅田次郎

おすすめのポイント

浅田次郎の「笑える」時代小説の代表格であり、短編集です。

表題作は、切腹を命じられた隠居が「痛えからいやだ」と拒否する、前代未聞の騒動を描きます。

泰平の世で形骸化した武家社会の建前や仕組みを、ユーモラスかつ痛烈に皮肉った傑作。

短編集なのでテンポが良く、時代小説の小難しいイメージを最初に覆すには最適な、初心者におすすめの本です。

次のような人におすすめ

  • とにかく声を出して笑いたい人
  • 武士の建前を笑い飛ばすような痛快な話が読みたい人
  • 時代小説は初めてで、まずは短編からサクッと読みたい人

2. 『新装版 五郎治殿御始末』 浅田次郎

おすすめのポイント

「浅田節全開」と評される、珠玉の短編集。

幕末から明治維新という時代の大きな転換期に、居場所を失った無名の武士たちが主人公です。

彼らが自らの人生や過ぎた時代に、いかに「始末(けじめ)」をつけるかを描きます。

勝者の物語ではなく、敗者の散り際の美学や、心意気が胸を打つ作品。

泣きと粋が凝縮された、浅田次郎の歴史小説の入門として、強くおすすめする本です。

次のような人におすすめ

  • 始末の美学や、武士の心意気といったテーマに触れたい人
  • べらんめえな江戸言葉など、活き活きとした文章のリズムを楽しみたい人
  • 読みやすい短編から、浅田次郎の粋な世界観に入りたい人

3. 『赤猫異聞』 浅田次郎

おすすめのポイント

明治元年、牢屋敷の大火事(赤猫)で一時的に解き放たれた三人の罪人。

「約束の刻限までに戻れば全員無罪」という条件の中、彼らが選んだ道とは。

罪人たちの身を捨てた義侠心や、義理人情が胸を打つ、まさに浅田節炸裂の作品です。

物語は後年の聞き取り調査形式で進み、最後に明かされる驚愕の真実には息を呑みます。

人情噺とミステリーが融合した、エンターテイメント性の高いおすすめの一冊です。

次のような人におすすめ

  • ハラハラする展開の、骨太な人情ミステリーが好きな人
  • 「難しい言葉も多いのに、読みやすい」という浅田作品の魅力を体験したい人
  • 社会の底辺で生きる人々の義侠心や、人情に触れて感動したい人

4. 『憑神』 浅田次郎

おすすめのポイント

幕末の江戸を舞台に、貧乏な侍がひょんなことから「貧乏神」「疫病神」「福の神」に取り憑かれてしまう物語。

神々に振り回されるうち、彼は時代の大きなうねりに巻き込まれていきます。

時代小説でありながら、オカルト・ファンタジー要素が強いコメディタッチの作品。

新選組が出てこない幕末を描いた異色作であり、エンターテイメントとして非常に読みやすく、映画化もされた人気作です。

次のような人におすすめ

  • 時代小説の堅苦しいイメージが苦手で、ファンタジーやコメディが好きな人
  • 神様やオカルト話、少し不思議な物語にワクワクする人
  • 激動の幕末とエンタメが融合した、読みやすい長編を探している人

5. 『一路(上)』 浅田次郎

おすすめのポイント

父の急死により、江戸の参勤交代の行列を差配する「御供頭」という大役を継ぐことになった若者の物語。

古いしきたりや妨害に立ち向かい、一行を無事に江戸へ導けるのか。

道中の出会いや困難を通じて主人公が成長していく姿を描く、清々しいロードノベルです。

時代小説の魅力である旅情と人情、そして若者の成長が詰まった、王道のエンターテイメント作品です。

次のような人におすすめ

  • 主人公が困難を乗り越えて成長する、王道の物語が好きな人
  • 江戸時代の参勤交代という一大イベントの裏側に興味がある人
  • 旅情や道中の人との触れ合いを描いた、爽やかな読後感の小説を読みたい人

6. 『壬生義士伝(上)』 浅田次郎

おすすめのポイント

浅田次郎の歴史・時代小説の中で、「泣ける」作品の最高峰と名高い不朽の名作。

貧困から家族を救うため新選組に入隊し、「守銭奴」「人斬り」と蔑まれた男・吉村貫一郎の生涯を描きます。

彼の死後、関係者たちの「聞き語り(インタビュー)」形式で、その人物像が多角的に浮かび上がる構成は圧巻。

「時代小説は読みにくい」という印象を覆すほどの読みやすさと、胸を打つ家族愛と武士の矜持の物語です。

次のような人におすすめ

  • とにかく「泣ける」小説、心の底から感動できる物語を求めている人
  • 『ぽっぽや』で感じたような、家族や職務への「義」に満ちた生き様に触れたい人
  • ミステリーのように謎を追う「インタビュー形式」で、時代小説の面白さを体験したい人

7. 『輪違屋糸里(上)』 浅田次郎

おすすめのポイント

『壬生義士伝』に続く、浅田版「新選組」第二弾。

京都・島原の花街を舞台に、芸妓・糸里ら女性たちの視点から新選組結成前夜の動乱を描きます。

従来・悪役として名高い初代局長・芹沢鴨。

しかし、女性たちの視点を通すことで、彼の純粋さや武士としての一面が浮かび上がります。

運命に翻弄されながらも強く生きる女性たちの生き様を描いた、重厚な歴史ロマンです。

次のような人におすすめ

  • 新選組を女性という新しい視点から見てみたい人
  • 歴史上の悪役とされる人物の、知られざる内面や真実に興味がある人
  • 花街を舞台にした、美しくも哀しい人間ドラマが好きな人

8. 『黒書院の六兵衛(上)』 浅田次郎

おすすめのポイント

江戸城無血開城。

将軍も去り、誰もいなくなった城に、ただ一人座り続ける謎の侍・六兵衛。

彼はなぜ動かないのか?

その沈黙が、新政府の役人たちを揺さぶります。

主人公が「喋らない」という斬新な設定で、激動の時代に「静」を貫く武士の魂を描いたミステリー。

静かな緊張感と、所作だけで語られる武士の美学が光る、玄人好みながらも引き込まれる一作です。

次のような人におすすめ

  • 派手なアクションではなく、静かな緊張感が続くミステリーが好きな人
  • 沈黙や所作に込められた意味を問う、哲学的な物語に惹かれる人
  • 映像化もされた、斬新な設定の時代小説に挑戦したい人

9. 『一刀斎夢録(上)』 浅田次郎

おすすめのポイント

浅田版「新選組三部作」の完結編。

明治、大正の世を生き延びた元新選組三番隊隊長・斎藤一(一刀斎)。

彼が若き陸軍中尉を聞き手に、幕末のすべてを語り尽くします。

沖田総司の天才性、坂本龍馬暗殺の真実、そして「剣とは何か」という生死の哲学。

再び採用された聞き語りスタイルで、最強の剣士のリアリズムに満ちた侍の哲学が胸に迫る、集大成的な作品です。

次のような人におすすめ

  • 『壬生義士伝』を読み、新選組の物語をさらに深く知りたい人
  • 単なる歴史の回顧録ではなく、「剣の哲学」「生きるとは何か」を問う物語が読みたい人
  • 最強の剣士・斎藤一の口から語られる幕末の真実に興味がある人

10. 『流人道中記(上)』 浅田次郎

おすすめのポイント

姦通の罪で蝦夷へ流されるエリート罪人・青山玄蕃と、その護送役を務める19歳の真面目すぎる見習与力・石川乙次郎。

二人の奥州街道での奇妙な珍道中を描くロードノベルです。

口も態度も悪い罪人の玄蕃ですが、道中で出会う困難な人々を見捨てられない心意気も持つ男。

浅田作品の核である人情噺の魅力が詰まった、王道の構成で読みやすい長編です。

次のような人におすすめ

  • 旅の中で繰り広げられるロードノベルが好きな人
  • ダメな上司と真面目な部下のような、凸凹コンビの人間ドラマが読みたい人
  • 王道で読みやすい、心温まる人情噺をじっくり楽しみたい人

11. 『大名倒産(上)』 浅田次郎

おすすめのポイント

借金、25万両(現代の約100億円!?)。

何も知らされずに藩主となった若き殿様が、藩の経営再建に乗り出す、笑いと涙の豪華エンターテイメント。

先代は計画倒産するつもりだったのに、糞がつくほど真面目な主人公は倒産を防ごうと必死になります。

経営再建や殖産産業(鮭の養殖)など、現代のビジネス小説のような面白さを時代小説に持ち込んだ、抜群に面白い一冊です。

次のような人におすすめ

  • 『お腹召しませ』と並んで、とにかく笑える時代小説が読みたい人
  • 痛快な逆転劇や、経営再建といったビジネス的なストーリーが好きな人
  • 時代小説の入門書として、最高に面白く読みやすい本を探している人

12. 『蒼穹の昴(1)』 浅田次郎

おすすめのポイント

多くの読者が「浅田次郎の最高傑作」と絶賛する、壮大な歴史大河ロマン。

舞台は日本ではなく、19世紀末、滅びゆく清王朝末期の中国です。

貧しい二人の少年が、一人は宦官として、もう一人は官僚として、激動の中国史の中心で運命的に交錯します。

その圧倒的なスケールと、「本当に歴史はこうだったのではないか」と思わせるほどの没入感。

架空の人物と西太后など実在の人物が織りなす人間ドラマは圧巻です。

次のような人におすすめ

  • 浅田次郎の「最高傑作」に挑戦したい、中~上級者の読者
  • 壮大なスケールの大河ドラマを求めている人
  • 清朝末期の中国史や、西太后といった歴史上の人物に興味がある人

まとめ:あなたの「時代小説」のイメージが、きっと覆る

浅田次郎の歴史・時代小説の世界は、単なる難解な歴史書ではありません。

それは、時代のうねりの中で必死に生きる「人間」の感情を、その矜持や義理人情、そして滑稽さまでも描き切った、最高のエンターテイメントです。

もし、あなたが最初の一冊に迷っているなら、まずは「泣き」の最高峰『壬生義士伝』か、「笑い」の決定版『大名倒産』から手に取ってみてください。

読み終えた時、あなたの「歴史・時代小説」に対するイメージは、必ずや覆っているはずです。

浅田次郎が紡ぐ、時を超えた人間ドラマの数々を、ぜひお楽しみください。