- 感情整理とメモ術で管理と成果に
- 読書の習慣と感性・発想力の育成
- 人との縁と家族の大切さ
- 人間味あふれる親友たちとの対談
佐久間宣行の略歴・経歴
佐久間宣行(さくま・のぶゆき、1975年~)
テレビプロデューサー、演出家。
福島県いわき市の出身。福島県立磐城高等学校、早稲田大学商学部を卒業。
1999年にテレビ東京に入社、2021年に退社してフリーに。
『ごきげんになる技術』の目次
序章 ごきげんの正体
1章 悩みや失敗から自分の本音を知る
2章 ネガティブを飼い慣らそう
3章 悩みの数は仕事の「伸びしろ」
4章 「積極的ネガティブ」な仕事術
5章 年代別の「諦め方」で夢は叶う
6章 僕の中の“陰”なヤツ
7章 他人にこそポジティブ思考
8章 「ネガティブ沼」からの守り方
9章 「ごきげん」が生きる力
特別対談 付き合いは約30年! 親友たちが語る「佐久間宣行」
『ごきげんになる技術』の概要・内容
2024年7月31日に第一刷が発行。集英社。ソフトカバー。190ページ。四六判。127mm✕188mm。
副題は「キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方」。
『ごきげんになる技術』の要約・感想
- 『ごきげんになる技術』の魅力
- 感情を整理するテクニック
- 仕事で成果を出すメモ術
- 読書が育む感性と発想力
- 縁を大切にする姿勢
- 家族との絆の力
- 特別対談の深み
- それぞれの『ごきげんになる技術』を見つけるために
『ごきげんになる技術』は、テレビプロデューサーとして活躍する佐久間宣行が著した、人生をより豊かに、充実させるための実践的なガイドだ。悩みや失敗、ネガティブな感情とどう向き合うか、そしてごきげんに過ごす方法を、佐久間宣行自身の経験や具体的なアプローチを通じて教えてくれる。
大学生、ビジネスマン、社会人にとって、日常のストレスやモヤモヤを解消し、前向きに生きるためのヒントが詰まっている。この記事では、『ごきげんになる技術』の要約や感想を詳しく紹介し、なぜこの本が多くの人に響くのかを掘り下げていく。興味を持った方はぜひ参考にしてほしい。
『ごきげんになる技術』の魅力
佐久間宣行が手がけた『ごきげんになる技術』は、単なる自己啓発書とは一線を画す。テレビ業界で数々のヒット番組を生み出した佐久間宣行が、仕事やプライベートでの失敗、悩み、ネガティブな感情をどう乗り越えてきたかを率直に綴っている。
最大の魅力は、ユーモアと人間味あふれる語り口だ。難しい理論や抽象的な話ではなく、誰でも実践できる具体的な方法が書かれているため、高校生でも理解しやすく、大学生や社会人には特に深い共感を呼ぶ内容になっている。さすが、長年に渡ってラジオパーソナリティーを務めている力量をここでも発揮している。
本は序章から9章、そして特別対談まで、テーマごとに丁寧に構成されている。悩みやネガティブの扱い方、仕事での成功の秘訣、家族や人間関係での気づきなど、幅広いトピックが網羅されている。佐久間宣行が自身の弱さや「陰」の部分を包み隠さず語る姿勢は、読者に勇気を与える。ごきげんになる方法を模索する人にとって、まさに理想的なごきげん本と言えるだろう。
感情を整理するテクニック
佐久間宣行は、感情の浮き沈みとどう向き合うかを丁寧に解説している。特に、2章では感情の揺れの原因を見極める方法が印象的だ。
人って、自分が思っている以上に外的要因によって感情が浮き沈みするもの。僕は、メンタルが落ちる原因が日記によってクリアになったことで、ネガティブな感情にハマって悶々と悩むことがぐんと減ったのです。(P.41:2章 ネガティブを飼い慣らそう)
この一節を読んで、感情の揺れは誰にでもあるものだと実感した。佐久間宣行は、日記を通じて感情の「きっかけ」を明確にすることで、ネガティブなスパイラルから抜け出したと語る。
たとえば、特定の出来事や会話でイライラしたとき、それを書き出すと、意外と小さな原因が浮き彫りになる。それが分かれば、次に同じ状況が来ても冷静に対応できる。日記は単なる記録ではなく、心を整理する強力なツールなのだと気づかされた。ごきげんに過ごすためには、まず自分の感情を正直に把握することが欠かせない。
大学生や社会人なら、忙しい日々の中で感情が乱れる瞬間は多いはずだ。試験のプレッシャー、職場の人間関係、SNSでの無意味な比較など。日記を書く習慣を取り入れるだけで、感情の波に振り回されず、ごきげんになる方法を見つけられるかもしれない。佐久間宣行のこの提案は、シンプルだが非常に実践的である。
ちなみに私も日記は書いている。最近はかなりの長文になってきてはいるけれど。
仕事で成果を出すメモ術
仕事や勉強で成果を上げるためのヒントも、本書には豊富に含まれている。特に、4章では佐久間宣行が実践していたメモの習慣が詳しく紹介されている。
それと並行してコツコツ始めたルールが、アイデアをメモすること。まず、企画になりそうなたたき台と、僕が感じた世の中への違和感みたいなものをひたすらメモ。週に1時間ほど時間をとり、人に端的に説明することを想定してそれぞれのメモを4~5行にまとめ、企画まで落とし込んでおく。(P.78:4章 積極的ネガティブな仕事術)
このメモ術には、なるほどと頷かされた。佐久間宣行は、日常で感じた「何かおかしい」という違和感をメモに書き留め、それを企画に発展させていた。しかも、ただメモするだけでなく、誰かに説明できる形にまとめる点がポイントだ。
ビジネスマンなら、会議でのアイデア出しやプレゼン準備にこの方法は即座に役立つ。大学生なら、ゼミやサークルでの企画立案時に、違和感をメモする習慣を取り入れると、ユニークなアイデアが生まれそうだ。
佐久間宣行のメモ術の優れた点は、完璧さを求めないことにある。最初は思いついたことを気軽に書き留め、後で整理して4~5行にまとめる。この「小さく始める」アプローチは、忙しい人でも無理なく実践できる。このメモ術は欠かせないポイントだ。仕事で差をつけたい人は、ぜひ試してみてほしい。
読書が育む感性と発想力
佐久間宣行の人間的な魅力の背景には、子供時代からの読書習慣がある。6章では、こんなエピソードが紹介されている。
小学生の頃から大人びた漫画や海外の小説に触れ、中学時代は本格的なSFやファンタジー作品を夢中になって読みました。(P.126:6章 僕の中の“陰”なヤツ)
佐久間宣行の祖父がさまざまな本や漫画を送ってくれたことで、幼い頃から幅広いジャンルの作品に親しんできたという。この読書習慣が、豊かな感性や発想力を育んだのだろう。テレビプロデューサーとして、世の中のトレンドを捉え、人の心を動かす番組を生み出せたのも、このバックグラウンドが大きいと感じる。
大学生や社会人にとっても、読書は大きな価値を持つ。忙しいとついスマホや動画に時間を費やしがちだが、たまには本を開いてみるのも悪くない。SFやファンタジーなど、普段手に取らないジャンルに挑戦すると、新たな視点やインスピレーションを得られるかもしれない。
ごきげん本である『ごきげんになる技術』を読みながら、佐久間宣行の読書習慣を取り入れてみるのも一つの手だ。
縁を大切にする姿勢
佐久間宣行の人間性がよく表れているのが、7章だ。ここでは、周囲の人をどうサポートしてきたかが語られている。
実は一時期、社内で「佐久間の部署は再生工場」なんて言われたこともあったほど。人のことを簡単に見捨てない、前評判というフィルターをかけて人のことを評価しない。これはせっかくできた縁を大切にする、ということでもあると思うのです。(P.147:7章 他人にこそポジティブ思考)
このエピソードには心を動かされた。
佐久間宣行は、現在も各種の仕事で、スキャンダルで批判された人を、偏見なく見て、キャスティングしている。それを実現するのは簡単ではない。人の失敗や評判に流され、距離を置いてしまうのが普通だ。しかし「縁を大切にする」ことを徹底している。この姿勢が、信頼できる人々が集まる理由なのだろう。
社会人なら、職場で誰かを支える機会は多い。大学生でも、サークルやアルバイトで仲間を励ます場面があるはずだ。この考え方を取り入れることで、人間関係がより深まり、自分自身もごきげんに過ごせるようになる。ごきげんになる方法は、自分だけでなく周囲も幸せにするプロセスなのだと実感した。
家族との絆の力
佐久間宣行の家族に関する話も、本書の大きな魅力の一つだ。特に、9章では奥さんとのエピソードが心を温める。
ちなみに、妻は時々「もし、明日私が死んだとしても、私は幸せだったと思ってください」と冗談半分で伝えてきます。僕も今、それに近いことを思っているかもしれません。(P.176:9章 「ごきげん」が生きる力)
この夫婦の会話には、深い信頼が感じられる。冗談半分とはいえ、こんな本音を気軽に交わせる関係は貴重だ。佐久間宣行の奥さんは、日常の中でごきげんに生きる姿勢を体現しているように思う。家族との時間を大切にすることで、人生の軸を見出しているのだろう。
家族の話では、父親の死や、信頼できる母親とのエピソードも心に残った。大学生や社会人は、仕事や勉強に追われて家族との時間が減りがちだ。しかし、本書を通じて、家族との絆が自分を支える大きな力であることを再認識できる。
本書の感想として、家族のエピソードは特に印象深い部分だった。
特別対談の深み
本の最後にある特別対談は、読み応え抜群だ。佐久間宣行と30年来の親友たちが、その素顔や魅力を語り合う。この対談の魅力は、「主観」と親友たちの「客観」が交錯する点にある。自分では気づかない強みや意外な一面が次々と明らかになる。
対談を通じて、佐久間宣行がどのように信頼関係を築いてきたかがよく分かる。テレビ業界は忙しく、人間関係も複雑そうだが、ユーモアと誠実さで乗り越えてきたのだ。この対談パートは特に欠かせない重要な箇所である。佐久間宣行の人間性を最も鮮明に映し出すパートだからだ。
それぞれの『ごきげんになる技術』を見つけるために
『ごきげんになる技術』が多くの人に響く理由は、佐久間宣行のリアルさにある。テレビプロデューサーとして成功を収めながらも、完璧ではない。悩み、失敗、ネガティブな感情を隠さず向き合い、前に進んできた姿が、「自分も頑張れる」と希望を与える。
本の構成は、悩み、仕事、家族、人間関係と多角的にアプローチし、大学生の人間関係や将来への不安、ビジネスマンの仕事のプレッシャーなど、誰にとっても共感できる気づきを提供する。
個人的には、家族の話が特に心に残った。奥さんや娘さんとのユーモラスで温かいエピソード、父親の死や母親との関係は、佐久間宣行の人間性を深く知る手がかりだった。同時に、悩み相談のような形式が自分と向き合うきっかけとなり、じっくり考える時間を持てたのは確かだ。
この本は、完璧でない自分を受け入れ、毎日をごきげんに生きるヒントをくれる。日記で感情を整理し、メモでアイデアを形にし、縁を大切にする行動は、「ごきげんになる」ための明日から試せる具体的な一歩だ。
大学生なら、勉強や人間関係の課題を解消するヒントが得られる。ビジネスマンや社会人なら、仕事とプライベートの充実につながる。電子書籍ならKindleなどで、中古ならメルカリなどで手に入れて、自分なりの「ごきげんになる技術」を見つけてほしい。