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【選書】猪瀬直樹のおすすめ本・書籍12選:ノンフィクション、エッセイ、代表作

作家であり、元東京都知事でもある猪瀬直樹(いのせ・なおき、1946年~)。

その名前は知っていても、膨大な著作を前に「どの本から読めばいいのだろう?」と迷う人も多いのではないでしょうか。

彼の本は、なぜ時代を超えて多くの読者を惹きつけるのか。その秘密は、単なる歴史や社会の解説に留まらない、物事の本質を鋭くえぐる視点にあります。

例えば、代表作『昭和16年夏の敗戦』は、刊行から約40年後のコロナ禍に再びベストセラーとなりました。

過去の歴史的失敗の分析が、現代を生きる私たちに重要な示唆を与えてくれることの証左です。

猪瀬直樹の本を読むことは、日本という国を動かす見えない「システム」や、歴史の裏側に隠された人間ドラマを知る、スリリングな知的体験と言えるでしょう。

この記事では、猪瀬直樹の著作の中から、初心者でも夢中になれるおすすめの本を12冊厳選。

歴史の謎解きから、社会の仕組み、生きるための哲学まで、あなたの知的好奇心を刺激する必読書がきっと見つかります。

最初の一冊を選ぶための、最高のガイドです。


1. 『昭和16年夏の敗戦』猪瀬直樹

おすすめのポイント

猪瀬直樹の原点にして、ノンフィクションの金字塔。

太平洋戦争開戦前、政府のエリートシンクタンクが「日本必敗」という結論を導き出していた衝撃の事実を丹念な取材で暴きます。

なぜ客観的なデータは無視され、国家は破滅的な戦争へと突き進んだのか。

その原因を、現代の組織にも通じる「空気」の問題として鋭くえぐる本書は、歴史書でありながら一級のミステリー。

組織の意思決定に関わる全ての人におすすめしたい本です。

次のような人におすすめ

  • なぜ日本は過去に大きな過ちを犯したのか、その構造的な原因を知りたい人
  • データや論理が「空気」に負けてしまう組織の問題に関心があるビジネスパーソン
  • 歴史の「if」を考え、知的な興奮を味わえるノンフィクションを読みたい人

2. 『昭和23年冬の暗号』猪瀬直樹

おすすめのポイント

『昭和16年夏の敗戦』の続編とも言える、スリリングな歴史ミステリー。

A級戦犯の死刑は、なぜ皇太子(現・上皇陛下)の誕生日に執行されたのか。

この謎を、猪瀬直樹はアメリカが戦後日本に埋め込んだ「暗号」として読み解こうと試みます。

占領下の水面下で繰り広げられた日米の熾烈な情報戦と、象徴天皇制の行方を巡る駆け引き。

歴史の裏側に隠された意図を暴き出す、著者の推理が光る一冊です。

次のような人におすすめ

  • 歴史の教科書には載っていない、裏側の真実に興味がある人
  • 陰謀論ではなく、緻密な調査に基づいた歴史ミステリーが好きな人
  • 戦後日本の出発点や、日米関係の原点に関心がある人

3. 『民警』猪瀬直樹

おすすめのポイント

今や社会インフラとなったセコムやアルソックといった民間警備会社。

この巨大産業が、1964年の東京オリンピックをきっかけに誕生したことをご存知でしょうか。

本書は、「安全は水や空気と同じでタダ」と思われていた時代に、いかにして「安全を買う」という新しい市場が創り出されたかを描くビジネスノンフィクション。

イノベーションの誕生秘話として、非常に示唆に富んだおすすめの本です。

次のような人におすすめ

  • 新しい市場やビジネスが生まれる瞬間に興味がある起業家やビジネスパーソン
  • セコムやアルソックの知られざる創業物語を知りたい人
  • 「公共」と「民間」の役割分担の変化について考えたい人

4. 『救出 3.11気仙沼公民館に取り残された446人』猪瀬直樹

おすすめのポイント

東日本大震災で津波と火災に襲われ、公民館の屋上に孤立した446人。

この絶望的な状況を打破したのは、ロンドンから発信された一本のツイートでした。

その情報を受け取った当時副知事の猪瀬直樹が、前例のない決断を下すまでを描く、息をのむドキュメント。

市民、SNS、そして政治のリーダーシップが奇跡的に結びついた感動の実話。

組織の縦割りを乗り越えるとはどういうことか、生々しく伝わってきます。

次のような人におすすめ

  • 絶望的な状況でも希望を失わない、人間の強さに触れたい人
  • ソーシャルメディアが持つ社会的な力に関心がある人
  • 危機管理やリーダーの「決断」の重みについて考えたい人

5. 『ペルソナ―三島由紀夫伝』猪瀬直樹

おすすめのポイント

天才作家・三島由紀夫の謎に満ちた生涯を、「官僚の家系」という全く新しい視点から読み解いた画期的な伝記。

祖父、父から続くエリート官僚の血筋に抗い、同時に深く影響され続けた三島の葛藤を、膨大な資料を基に描き出します。

「天才」という仮面(ペルソナ)を剥がし、一人の人間としての三島由紀夫に迫る本書は、多くの三島ファンに衝撃を与えました。

人物評伝の傑作としておすすめの一冊。

次のような人におすすめ

  • 三島由紀夫の文学や思想の背景を、より深く理解したい人
  • 家系や育ちが、一人の人間の人格形成に与える影響について興味がある人
  • 既存の評価とは違う、新しい切り口の伝記を読んでみたい人

6. 『ピカレスク―太宰治伝』猪瀬直樹

おすすめのポイント

破滅的な生涯を送った作家・太宰治。

本書は、彼が繰り返した心中未遂事件を軸に、その人生の暗いパターンを読み解こうとする「評伝ミステリー」です。

「ピカレスク(悪漢小説)」というタイトルの通り、聖人君子ではない、弱さと狡さを持つ人間・太宰の姿を浮き彫りにします。

特に師であった井伏鱒二との愛憎半ばする関係性の分析は圧巻。太宰文学のファンならずとも引き込まれる、スリリングな一冊です。

次のような人におすすめ

  • 太宰治の作品に漂う、独特の暗さやユーモアの源泉を知りたい人
  • 作家の人生と作品の密接な関係に興味がある文学ファン
  • 人間の心の弱さや、どうしようもなさを見つめた物語が好きな人

7. 『突破する力―希望は、つくるものである』猪瀬直樹

おすすめのポイント

作家として、そして道路公団民営化などを手掛けた改革者として、数々の巨大な「壁」に挑んできた猪瀬直樹。

その経験から導き出された、人生と仕事の閉塞状況を「突破する」ための思考法と行動術を説いた一冊。

常識を疑い、弱点を武器に変え、一点集中で事を成す。

著者の熱量がダイレクトに伝わる「本気の仕事論」であり、明日への活力が湧いてくる自己啓発書としてもおすすめの本です。

次のような人におすすめ

  • 仕事や人生で壁にぶつかり、現状を打破したいと考えている人
  • 既成概念にとらわれず、自分の頭で考える力を身につけたい人
  • 困難な目標を達成するための、具体的な方法論や心構えを学びたい人

8. 『唱歌誕生―ふるさとを創った男』猪瀬直樹

おすすめのポイント

「うさぎ追いし かの山…」誰もが口ずさめる唱歌『故郷』。

こうした日本人の心の原風景ともいえる歌は、誰が、どのようにして作ったのでしょうか。

本書は、明治という新しい時代の中で、立身出世を夢見た下級官吏と、音楽に人生を捧げた男たちの熱いドラマを描きます。

忘れられていた歴史の断片を繋ぎ合わせ、一つの感動的な物語として再生させる、猪瀬直樹の真骨頂が味わえる文化史ノンフィクションです。

次のような人におすすめ

  • 『故郷』や『春の小川』など、昔ながらの唱歌が好きな人
  • 明治という時代の熱気や、近代国家が作られていく過程に興味がある人
  • 無名の人物が歴史を創る、感動的なヒューマンドラマを読みたい人

9. 『黒船の世紀(上)―あの頃、アメリカは仮想敵国だった』猪瀬直樹

おすすめのポイント

ペリー来航から太平洋戦争まで、約100年にわたる日米関係を「外圧」と「世論」をキーワードに読み解く壮大な歴史ノンフィクション。

特に興味深いのは、日露戦争後にブームとなった「日米未来戦記」という架空小説の分析。

戦争という観念が、いかにして人々の想像力の中で現実味を帯びていったかを明らかにします。

メディアが世論を形成し、国家の進路を左右するダイナミズムを描いた、今読んでも全く古びない一冊。

次のような人におすすめ

  • 日米関係の歴史的な変遷を、大きな流れで理解したい人
  • メディアや世論が、社会や政治に与える影響について関心がある人
  • 歴史を動かす「目に見えない力」の正体を知りたい人

10. 『地下鉄は誰のものか』猪瀬直樹

おすすめのポイント

東京の地下鉄の乗り換えは、なぜあんなに不便で運賃も割高なのか?

多くの都民が感じていたこの素朴な疑問の裏には、都と国の縄張り争いや既得権益という巨大な「壁」がありました。

東京都副知事だった猪瀬直樹が、利用者不在の論理で動く巨大組織に挑んだ闘いの記録。

普段何気なく利用している社会インフラの裏側を暴き出す本書は、政治や行政を身近な問題として感じさせてくれる、おすすめの告発ドキュメントです。

次のような人におすすめ

  • 日常の中の「なぜ?」の裏側にある、社会の仕組みを知りたい人
  • 政治や行政が、私たちの生活にどう影響しているか具体的に知りたい人
  • 巨大な既得権益に、たった一人で立ち向かう物語が好きな人

11. 『霞が関「解体」戦争』猪瀬直樹

おすすめのポイント

「なぜ保育所は増えないのか」「なぜ改革は進まないのか」。

その原因の多くは、霞が関にあります。

本書は、政府の地方分権改革推進委員として、猪瀬直樹が官僚たちの抵抗と闘った記録です。

省益を守るための「官の論理」や、議事録から浮かび上がる空虚な答弁。

日本の「決められない政治」の根源を、内部からの視点で生々しく描き出します。

日本の構造問題に関心があるなら必読の一冊。

次のような人におすすめ

  • 日本の政治や行政が、なぜこれほどまでに非効率なのか疑問に思っている人
  • テレビのニュースだけでは分からない、霞が関のリアルな内幕を知りたい人
  • 社会をより良くするための「改革」の難しさと重要性を学びたい人

12. 『決断する力』猪瀬直樹

おすすめのポイント

3.11の救出劇や、数々の改革。

猪瀬直樹は、そのキャリアにおいて常に重大な「決断」を迫られてきました。

本書は、そうした経験から得られたリーダーシップと意思決定の哲学をまとめた一冊。

不確実な状況でいかに情報を集め、リスクを分析し、最後は責任を取って断固として行動するのか。

彼の著作群で描かれる数々の「行動」の背後にある、思考の枠組みを知ることができます。

リーダーを目指すすべての人におすすめの本です。

次のような人におすすめ

  • 組織やチームを率いる立場にある、または目指しているリーダー
  • 優柔不断を克服し、重要な場面で的確な判断を下せるようになりたい人
  • 情報が氾濫する現代で、物事の本質を見抜くための思考法を学びたい人

まとめ:社会の仕組みを読み解く、猪瀬直樹という知的体験

猪瀬直樹の本を読むことは、単に知識を得る以上の体験です。

それは、日本という社会を動かす目に見えない仕組み、つまりシステムや構造、人々の心理を読み解く知的冒険に他なりません。

歴史の深層に隠された謎、現代社会が抱える問題の根源、そして困難な時代を生き抜くための個人の力。

彼の著作は、私たちに多角的な視点と、物事の本質を見抜くためのヒントを与えてくれます。

このおすすめリストを参考に、ぜひあなたにとっての「最初の一冊」を手に取り、その奥深い世界に触れてみてください。

きっと、昨日までとは少し違った景色が見えてくるはずです。