
警察小説の緊迫感、胸を打つ青春ドラマ、そして人間の心の闇を鋭く描くサスペンス。
多彩な作風で多くの読者を魅了する作家、誉田哲也(ほんだ・てつや、1969年~)。
その作品群は非常に幅広く、「どの本から読めばいいの?」と迷ってしまう人も少なくありません。
特に初心者にとっては、どの作品が自分に合ったおすすめなのか、見つけるのは難しいもの。
この記事では、そんなあなたのために、読みやすい青春小説からスタートし、徐々に深みを増していく本格ミステリまで、
ステップアップ形式で楽しめる誉田哲也のおすすめ本12選を厳選してご紹介します。
この順番で読み進めれば、彼の創り出す世界の広さと面白さを存分に味わえるはず。
さあ、あなたにぴったりの一冊を見つける旅へ出かけましょう。
1. 『武士道シックスティーン』誉田 哲也
おすすめのポイント
剣道に打ち込む二人の女子高生、対照的な性格の香織と早苗が出会い、ぶつかり合いながらも成長していく物語。
ミステリ要素はほとんどなく、爽やかな読後感が魅力の傑作青春小説です。
人間関係の描写が巧みで、何かに熱中したことのある人なら誰もが共感できるはず。
まずはこの作品から、誉田哲也の巧みな人物描写に触れてみるのがおすすめです。
映画化もされた人気シリーズの第一作。
次のような人におすすめ
- 爽やかな青春小説やスポーツ小説を読みたい人
- 複雑なミステリよりも、登場人物の成長物語に感動したい人
- 誉田哲也作品の入門書として、まずは読みやすい本を探している初心者

2. 『ドルチェ』誉田 哲也
おすすめのポイント
警視庁練馬署強行犯係に所属する魚住久江部長刑事の活躍を描く、連作短編形式の警察小説。
派手なアクションや猟奇的な事件ではなく、日常に潜む事件とそこに生きる人々の人間ドラマを丁寧に描いています。
主人公の冷静で的確な捜査と、時折見せる人間味あふれる一面が魅力的。
一話完結で読みやすく、『ストロベリーナイト』とはまた違う、地に足の着いた警察小説の面白さを教えてくれるおすすめの本です。
次のような人におすすめ
- じっくりと人間ドラマが描かれる警察小説が好きな人
- 短編集から気軽に読み始めたいと考えている人
- 姫川玲子とはタイプの違う、落ち着いた大人の女性刑事が活躍する物語を読みたい人
3. 『世界でいちばん長い写真』誉田 哲也
おすすめのポイント
愛知県の高校であった実話を基にした、感動的な青春小説。
目標もなく日々を過ごしていた高校生・宏伸が、360度撮影できる特殊なパノラマカメラと出会います。
そして仲間たちと共に一枚の「世界でいちばん長い写真」を撮るという目標に向かっていく姿を描きます。
ミステリ要素はなく、読後には温かい気持ちと前向きな力が湧いてくる作品。
何かに挑戦する素晴らしさを思い出させてくれる、おすすめの一冊です。
次のような人におすすめ
- 実話に基づいた感動的なストーリーを読みたい人
- 写真やカメラが好きな人、または何かの目標に向かって頑張っている人
- ミステリ以外のジャンルで誉田哲也の筆力を知りたい人

4. 『春を嫌いになった理由』誉田 哲也
おすすめのポイント
超能力を持つ少女と、不法滞在の青年。
偶然出会った二人の視点から描かれる、切ないボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。
社会の片隅で生きる人々の孤独や心の機微が繊細に描かれており、単なる恋愛小説に留まらない深みがあります。
少しずつサスペンスの色合いが濃くなっていき、読者を物語に引き込みます。
人間関係の描写に定評のある誉田哲也の、隠れた名作としておすすめします。
次のような人におすすめ
- 切ない人間ドラマやラブストーリーが好きな人
- 少し不思議な要素(SF)が入った物語に興味がある人
- 社会派なテーマを扱いつつも、読みやすい作品を探している人
5. 『ストロベリーナイト』誉田 哲也
おすすめのポイント
誉田哲也の代表作であり、魅力的な女性刑事・姫川玲子の名を世に知らしめた警察小説の金字塔。
猟奇的な連続殺人事件を追う捜査一課の刑事たちの姿を、スピーディーかつスリリングに描きます。
過去に深い傷を負いながらも、鋭い直感と行動力で事件の真相に迫る姫川玲子のキャラクターが強烈な印象を残します。
ここから誉田哲也の本格ミステリの世界へ。
竹内結子・主演のドラマや映画も大ヒットした、必読のおすすめ本です。
次のような人におすすめ
- 本格的な警察小説や刑事ドラマが好きな初心者
- ハラハラドキドキするスピーディーな展開を求めている人
- 強く、そして脆い、魅力的な女性キャラクターが活躍する物語を読みたい人

6. 『ヒトリシズカ』誉田 哲也
おすすめのポイント
様々な事件の背後に見え隠れする、謎の女「静加」。
彼女はいったい何者なのか?
異なる時間と場所で起きた5つの事件を、別々の人物の視点から描くことで、静加という人物像が徐々に浮かび上がってくる構成が見事な連作短編集です。
静かでじわじわと来る心理的な恐怖が秀逸で、ミステリとしての完成度が非常に高い一冊。
物語のピースが最後に繋がる快感を味わいたい人におすすめします。
次のような人におすすめ
- パズルのような構成のミステリが好きな人
- 派手なアクションよりも、静かな心理描写や不気味な雰囲気を楽しみたい人
- 一筋縄ではいかない、謎めいた女性キャラクターに興味を惹かれる人
7. 『Qros(キュロス)の女』誉田 哲也
おすすめのポイント
週刊誌の敏腕記者、警察、そしてネットの探偵。
様々な視点が交錯しながら、芸能界の闇と連続する不審死の謎に迫るエンターテインメント・ミステリ。
二転三転する展開と、現代社会の闇を切り取るテーマ性が魅力です。
グロテスクな描写は控えめで、誉田作品の中では比較的読みやすい部類に入りますが、プロットは複雑で読み応えがあります。
2024年に桐谷健太・主演でドラマ化もされた話題作です。
次のような人におすすめ
- 芸能界の裏側やマスコミ、ネット社会をテーマにした物語が好きな人
- 複数の視点から物語が語られる、群像劇のようなミステリを読みたい人
- テンポの良いエンタメ性の高いサスペンスを求めている人

8. 『黒い羽』誉田 哲也
おすすめのポイント
山奥の閉鎖的な研究施設を舞台に、禁断の遺伝子治療と人間のコンプレックスを描いたサスペンスホラー。
誉田哲也の持つホラー作家としての一面が存分に発揮された一作です。
閉鎖空間で次々と起こる惨劇。
そして人間の心の奥底にある欲望や嫉妬が絡み合い、息苦しいほどの緊張感が続きます。
読後感は好みが分かれるかもしれませんが、人間のダークな側面に踏み込む、強烈な読書体験を求める人におすすめの本です。
次のような人におすすめ
- ホラーやSFの要素があるミステリが好きな人
- 閉鎖された空間で起こるサスペンス(クローズド・サークル)に興味がある人
- 読後に心に何かを残す、衝撃的な物語に挑戦したい人
9. 『ケモノの城』誉田 哲也
おすすめのポイント
実際に起きた「北九州監禁殺人事件」がモチーフ。
人間の心の闇とマインドコントロールの恐怖を描いた、誉田哲也作品の中でも屈指の衝撃作。
凄惨な描写が多く、読むには精神的な体力を要しますが、人間の極限状態における心理を克明に描き切った筆力は圧巻です。
なぜ人は、ここまで残虐になれるのか。
ミステリの枠を超え、人間の本質を問うこの作品は、覚悟して読むべき本格的な一冊と言えるでしょう。
次のような人におすすめ
- 実話ベースの重厚な社会派ミステリに挑戦したい上級者
- 人間の心理やマインドコントロールのメカニズムに興味がある人
- 綺麗ごとではない、人間の本質をえぐるような強烈な物語を求めている人

10. 『プラージュ』誉田 哲也
おすすめのポイント
軽い気持ちで犯した罪により前科者となった主人公が、様々な過去を持つ人々が暮らすシェアハウス「プラージュ」で再起を目指す物語。
前科者の社会復帰の難しさという重いテーマを扱いながらも、そこに住む人々の温かさや絆が描かれており、読後には希望の光を感じさせます。
ミステリ要素も絡み合い、複雑な人間模様が展開される、読み応えのあるヒューマンドラマです。
星野源・主演でドラマ化もされました。
次のような人におすすめ
- 社会問題を扱いながらも、救いや希望のある物語を読みたい人
- 複雑な過去を背負った登場人物たちが織りなす人間ドラマが好きな人
- ミステリとヒューマンドラマが融合した、深みのある本を探している人
11. 『フェイクフィクション』誉田 哲也
おすすめのポイント
カルト教団、警察、元格闘家、そしてヤクザ。
様々な組織と人々の思惑が複雑に絡み合いながら、一つの大きな事件の真相へと収束していく長編ミステリ。
宗教2世問題など、現代社会が抱えるタイムリーなテーマも盛り込まれています。
複数の視点が目まぐるしく入れ替わり、物語の全体像が少しずつ見えてくる構成は上級者向け。
ですが、誉田哲也らしい暴力描写とスリリングな展開が好きな読者にはたまらない一冊です。
次のような人におすすめ
- 骨太で読み応えのある長編ミステリを求めている人
- カルト教団や裏社会など、社会の暗部を描く物語に興味がある人
- 複雑に張り巡らされた伏線が、最後に一気に回収されるような読書体験をしたい人

12. 『ジウ I 警視庁特殊犯捜査係』誉田 哲也
おすすめのポイント
身体能力は高いが人間関係が苦手な伊崎基子と、知的で愛らしいが戦闘能力ゼロの門倉美咲。
対照的な二人の女性刑事が、巨大な犯罪組織に立ち向かう壮大な警察小説サーガの幕開け。
警察組織のリアルな描写、専門用語、そしてシリーズを通して続く大きな謎など、読解には集中力を要します。
しかし、その分、重厚で本格的な物語にどっぷりと浸ることができます。
このリストの最後に読むにふさわしい、誉田ワールドの集大成ともいえるシリーズの第一作です。
次のような人におすすめ
- 壮大なスケールの警察小説やシリーズものを腰を据えて読みたい人
- 対照的な二人がタッグを組む「バディもの」が好きな人
- 警察の捜査方法や組織の仕組みなど、リアルな描写にこだわった本格ミステリを読みたい人
まとめ:誉田哲也の多彩な世界へ、最初の一歩を踏み出そう
爽やかな青春の輝きから、人間の心の最も暗い闇まで。
今回ご紹介した12冊は、作家・誉田哲也が持つ多彩な魅力を、段階的に体験できるよう考え抜かれたリストです。
どの作品も、ページをめくる手が止まらなくなる面白さと、読後に深く考えさせられるテーマを内包しています。
このリストを道しるべに、まずは気になる一冊を手に取ってみて下さい。
きっと、あなたを夢中にさせる新たな読書の世界が、そこには広がっているはずです。
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