
江國香織(えくに・かおり、1964年~)のエッセイや絵本には、日常に潜む静かな美しさや、言葉にならない感覚を掬い上げる独特の世界が広がっています。
何気ない一日が愛おしくなったり、忘れていた子供の頃の気持ちを思い出したり。
この記事では、そんな江國香織の世界へ初めて足を踏み入れるあなたにおすすめの本を、エッセイと絵本から厳選して6冊ずつ、合計12冊紹介します。
初心者向けの選び方から、それぞれの作品が持つ深い魅力まで、あなたの心に響く一冊がきっと見つかるはず。
さあ、言葉の魔法に触れる読書の旅へ。
- 1. 『とるにたらないものもの』江國香織
- 2. 『読んでばっか』江國香織
- 3. 『旅ドロップ』江國香織
- 4. 『雨はコーラがのめない』江國香織
- 5. 『物語のなかとそと』江國香織
- 6. 『絵本を抱えて 部屋のすみへ』江國香織
- 7. 『おさんぽ』文:江國香織 / 絵:こみねゆら
- 8. 『ちょうちょ』文:江國香織 / 絵:松田奈那子
- 9. 『おひさまパン』原作・絵:Elisa Kleven / 訳:江國香織
- 10. 『おおきなあかいなや』原作:マーガレット・ワイズ・ブラウン / 訳:江國香織
- 11. 『雪だるまの雪子ちゃん』文:江國香織 / 絵:山本容子
- 12. 『ぼくはきみで きみはぼく』原作:Ruth Krauss / 絵:Maurice Sendak / 訳:江國香織
- まとめ:あなたの日常に、江國香織という宝物を
1. 『とるにたらないものもの』江國香織
おすすめのポイント
輪ゴム、レモンしぼり器、お風呂といった、日常にありふれた60の「とるにたらないもの」に光を当て、そこに宿る記憶や愛情を綴ったショートエッセイ集。
江國香織の真骨頂ともいえる、やわらかく美しい文章で、見過ごしがちな日々の断片がかけがえのない宝物のように輝きだします。
短い章で構成されているため、忙しい毎日の中でも少しずつ読み進められる手軽さも、この本がおすすめの理由です。
次のような人におすすめ
- 自分の日常をより深く、丁寧に味わいたい人。
- 心温まる優しい文章で、静かな癒やしの時間を過ごしたい人。
- 江國香織の作品に初めて触れる、入門書を探している人。

2. 『読んでばっか』江國香織
おすすめのポイント
絵本から海外ミステリーまで、古今東西の書物への尽きない愛情を綴った、本好きのためのエッセイ集。
江國香織は読書を一種の旅、すなわち本の世界への「でかけて行くこと」と位置づけ、その純粋な喜びを独特の感性で語ります。
彼女の情熱的な書評は、これまで馴染みのなかった本でさえも読んでみたくなる魔法のようだと評判 。読書家としての江國香織の素顔に触れられる一冊です。
次のような人におすすめ
- 本を読むこと、そして本について語り合うことが好きな人。
- 自分の読書の世界を広げる、新しい一冊との出会いを求めている人。
- 作家の読書体験や、創作の源泉に興味がある人。
3. 『旅ドロップ』江國香織
おすすめのポイント
「旅」をテーマにした37篇のショートエッセイと3篇の詩を収録した、心弾む一冊。
この本がおすすめなのは、遠方への旅行だけでなく、初めて入るデパートの食品売り場や一冊の本の中にも「旅」を見出す、その自由な視点。
一つひとつのエッセイが、まるでドロップ缶の飴玉のようにきらきらした魅力に満ちています。
軽やかな文章で、移動中や休憩時間にも気軽に楽しめます。
次のような人におすすめ
- パスポートのいらない小さな冒険を、日常の中に見つけたい人。
- 旅にまつわるエッセイを読んで、旅気分を味わいたい人。
- 隙間時間に少しずつ読める、軽やかで心ときめく本を探している人。

4. 『雨はコーラがのめない』江國香織
おすすめのポイント
愛犬であるアメリカン・コッカースパニエルの「雨」との日常と、彼らと共に過ごす時間を彩る音楽について綴られた、愛情深いエッセイ集。
人間と動物との間に流れる穏やかでかけがえのない時間、そして記憶を呼び覚ます音楽の力が、優しく繊細な筆致で描かれます。
作中で紹介される音楽を聴きながら読めば、より深く物語の世界に浸れるでしょう。
次のような人におすすめ
- 犬や動物を愛し、彼らとの絆を描いた物語に心惹かれる人。
- 音楽が好きで、日々の暮らしに寄り添うサウンドトラックのような本を求めている人。
- 心温まるパーソナルなエッセイを読み、穏やかな時間を過ごしたい人。
5. 『物語のなかとそと』江國香織
おすすめのポイント
エッセイと掌編小説の境界を意図的に曖昧にした、ユニークな構成の「散文集」。
現実の「そと」よりも物語の「なか」で過ごす時間のほうが長いと語る著者の、創作と生活の秘密が垣間見えるスリリングな一冊です。
本の世界に深く没入する喜びを知るすべての人にとって、共感と発見に満ちた読書体験となるでしょう。
次のような人におすすめ
- 江國香織の創作の源泉や、作家としての思考の断片に触れてみたい人。
- 現実とフィクションの境界線で遊ぶような、少し実験的な本を読んでみたい人。
- 本の中にいる時の方が、現実世界よりも心地よいと感じたことがある読書家。

6. 『絵本を抱えて 部屋のすみへ』江國香織
おすすめのポイント
江國香織の絵本への深い愛情と敬意に満ちた35篇のエッセイ集。
彼女は絵本を自らの「魂の帰る場所」と表現し、ブルーナやセンダックといった作家たちの作品が、いかに自身のアイデンティティを形成したかを美しく豊かな言葉で語ります。
物語だけでなく挿絵の芸術性にも光を当てており、大人の視点で絵本の奥深さを再発見できる一冊です。
次のような人におすすめ
- 子供の頃に大好きだった絵本を、大人になった今もう一度味わいたい人。
- 絵本という表現が持つ、物語とアートの力について深く知りたい人。
- 江國香織の感性のルーツや、彼女の作品に影響を与えた本に興味がある人。
7. 『おさんぽ』文:江國香織 / 絵:こみねゆら
おすすめのポイント
新しいレースのスカートをはいた女の子の、少し不思議なおさんぽを描いたファンタジー絵本。
主人公は、江國香織の作品にしばしば登場する、強く自立した少女。
こみねゆらの繊細でクラシカルな絵が、シュールで魅力的な物語の世界観と完璧に調和しています。
少しおしゃまな大人と子供のためのメルヘンとして、幅広い世代におすすめの本です。
次のような人におすすめ
- おしゃれで、少し不思議な雰囲気の絵本が好きな人。
- 自分の意志をしっかり持った、強い女の子の物語を読みたい親子。
- 大人も楽しめる、物語の奥に深いテーマが隠された絵本を探している人。

8. 『ちょうちょ』文:江國香織 / 絵:松田奈那子
おすすめのポイント
蝶の生命とその本質を、詩的な言葉と色彩豊かな絵で描き出した珠玉の絵本。
「第1回MOE絵本グランプリ」を受賞した松田奈那子の鮮やかなアートワークは、ページをめくるたびに心を奪われるほどの美しさ。
江國香織によるすべてひらがなのテキストは、まるで音楽のように心地よく響きます 。
読むと心が軽やかになり、世界を五感で味わいたくなる一冊です。
次のような人におすすめ
- 言葉と絵が美しく融合した、詩のような絵本を味わいたい人。
- 色彩感覚あふれるアートが好きで、飾っておきたくなるような美しい本を探している人。
- 日常から解き放たれ、自由で明るい気持ちになりたい人。
9. 『おひさまパン』原作・絵:Elisa Kleven / 訳:江國香織
おすすめのポイント
太陽が隠れてしまった暗くて寒い町を、パン屋さんが焼いた特別な「おひさまパン」が明るく照らす、心温まる物語。
エリサ・クレヴェンの色彩豊かで魅力的なイラストと、江國香織の詩的な翻訳が、希望と共同体の温かさを伝えます。
巻末には「おひさまパン」のレシピが掲載されており、物語を読んだ後に親子でパン作りを楽しめるのも、この本がおすすめのポイントです。
次のような人におすすめ
- 寒い日や元気がない日に、心をぽかぽかに温めてくれる絵本を探している親子。
- パンが好きで、食べ物にまつわる楽しい物語を読みたい人。
- 絵本を読んだ後も、料理などのアクティビティを通して楽しみたい家族。

10. 『おおきなあかいなや』原作:マーガレット・ワイズ・ブラウン / 訳:江國香織
おすすめのポイント
世界的名作『おやすみなさいおつきさま』の作者マーガレット・ワイズ・ブラウンが文を、フェリシア・ボンドが絵を手がけたアメリカの古典絵本。
農場の大きな赤い納屋で暮らす動物たちの、穏やかで平和な一日が描かれています。
江國香織の翻訳によるシンプルで心地よいリズムの文章と、笑顔の動物たちが描かれた温かい絵。
それは、安心感に満ちており、寝る前の読み聞かせに最適な一冊として高く評価されています。
次のような人におすすめ
- 寝る前の読み聞かせにぴったりの、静かで穏やかな絵本を探している人。
- 動物が好きで、農場ののどかな雰囲気に癒されたい親子。
- 世代を超えて愛される、普遍的な魅力を持つ古典絵本に触れたい人。
11. 『雪だるまの雪子ちゃん』文:江國香織 / 絵:山本容子
おすすめのポイント
江國香織が長年温めてきた、初めての長編童話。
主人公は、空から降ってきた「野生の雪だるま」の女の子、雪子ちゃんというユニークな設定です。
独立心旺盛で好奇心いっぱいの雪子ちゃんが繰り広げる冒険は、生きる喜びに満ちあふれています。
著名な銅版画家・山本容子による、ひんやりと美しく、優雅な挿絵もこの物語の大きな魅力です。
次のような人におすすめ
- 子供だけでなく大人も楽しめる、心温まるファンタジーを読みたい人。
- 想像力豊かで、少し風変わりな主人公の物語が好きな人。
- 銅版画の美しい挿絵と共に、じっくりと物語の世界に浸りたい人。

12. 『ぼくはきみで きみはぼく』原作:Ruth Krauss / 絵:Maurice Sendak / 訳:江國香織
おすすめのポイント
「愛」と「友情」について、子供たちの本物の言葉を集めて構成された、詩と短いお話のコレクション。
絵本界の巨匠モーリス・センダックによる、今にも動き出しそうな生命力あふれる子供たちのイラストが、ページを自由に駆け巡ります。
子供時代の純粋で強烈な感情を思い出させてくれる、自由闊達で心温まるアメリカのロングセラー絵本です。
次のような人におすすめ
- 子供たちの純粋で詩的な言葉の世界に触れたい人。
- モーリス・センダックの表現力豊かなイラストが好きな人。
- 友情の素晴らしさを改めて感じたい、すべての世代の人。
まとめ:あなたの日常に、江國香織という宝物を
江國香織の作品世界は、日常という名の見慣れた風景に、新しい光を当ててくれます。
エッセイを読めば、道端の小石や一杯のコーヒーが特別な物語を帯び始め、絵本を開けば、忘れていた子供の頃の無垢な視線が蘇る。
今回紹介した12冊は、そんな彼女の世界への入り口です。
どの扉を開けても、そこにはあなたの毎日を少しだけ豊かに、そして優しく見つめ直すための、静かで美しい発見が待っています。
ぜひ、あなただけの一冊を見つけてみてください。
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